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脳に酸素が行かなくなると緊張が増して頭がパニックになる。
今日は緊張と呼吸の話をしたいと思います。発表会の時など緊張して「頭が真っ白になる!」と言う経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。(実は私もよくそう言うことがありました(汗))この場合、人間の中身(脳の中)はどうなっているのかと言うと?実は「脳」が「酸欠状態になっている」場合があります。
緊張の正体は「IQが下がり、冷静な判断ができなくなる」と言うこと。
人間の特性なのですが、ちょっと頑張りすぎたりすると、つい呼吸を忘れてしまうことがあります。例えばスポーツジムなどでいつもよりもちょっとハードなエクササイズをすると、つい呼吸を止めて頑張ってしまう、そんな感じの状態です。ピアノの発表会でも同じような状況になる場合があります。呼吸が止まると「脳に酸素が行かなくなる」ので、途端にIQが下がり「冷静でいられなくなる」→これが緊張です。
では、逆に「リラックス」する状況というのはどういうことを言うのでしょう? リラックスすると言うのは「解剖生理学的」なアプローチで考えると「横隔膜が下がる」と言う状況を言います。
と言っても「え???」って感じですよね? なので、もっと具体的にお話しますね。
横隔膜が下がった状態って、どんな状態???
横隔膜が下がった状態というのは、
お風呂の湯船に入った時に気持ちよくて(大きなため息をつくようなイメージ)「はぁ・・」とか「フゥ・・」とか大きく息を吐き出した時が「横隔膜が下がった状態」であると言えます。
もしくは、尿意を催してトイレに駆け込んで、用をたすその瞬間の感覚。
もしくは、夜寝る時に自分のお布団に入って、全身の力を抜いた時の感覚。
か?自分がバターになったようなイメージで、そのバターが温かさで溶けていくような感覚。
か?何か緊張するようなことがあって、それが終わって「あー、よかった、ほっ!」とした時の感覚。
上記はいずれも同じ感覚を、別の角度(シチュエーション)で伝えたいと思って書いたものなのですが、このイメージ伝わりますでしょうか?これらの感覚が「横隔膜が下がった」という状態です。
呼吸も演奏の一部として取り入れてしまおう!
緊張しすぎると、「自分で呼吸を止めてしまう」とか「呼吸が浅くなってしまう」というのは、おそらく誰でも経験があると思います。だったら「呼吸が浅くならない方法」を演奏に取り入れてしまえば良いのです。
例えば、私の場合ですが、曲のフレーズの「ここからここまでは息を吐く」と決めてしまいます。それも、演奏しながら、ゆっくり少しずつ呼吸を吐くようにして、スラーの切れ目(曲の息継ぎの場所)で「息を吸う」というふうに決めてしまいます。
ただ、これは頭で考えているだけではダメなんです。どんな状況になってもこの動作ができるように身体に染み込ませないと。
普段できることが出来なくなってしまうのが緊張の場。それに対処するには?
実例を紹介すると、私のピアノ教室の生徒さんの場合は発表会の前には、お辞儀を含めた練習(歩いたり、お辞儀をしたり)も1ヶ月前から行います。週1回のレッスンですから、発表会まで4回はやるということになります。それだけやっても、本番でお辞儀を忘れてしまったり、「歩く方向を間違えてしまう」というのはよくある話です。
緊張というのはIQをものすごく下げてしまうので、頭で分かっていることが対処できなくなってしまうという魔物?のような部分があります。この魔物?に打ち勝つためには、頭レベルではなく、身体レベルにまでその動作を染み込ませなければなりません。
つまり、思考がほぼ停止してしまっていた(頭が真っ白の状態になる)としても「身体はそのように動く」という状態にまで訓練してしまう必要があるということです。
そこまで、その動作を身体の中に染み込ませていれば、呼吸が浅くなったり、脳に酸素が行かなくなるということも防げますので、逆に言えば「IQは下がらなくなる」ということになります。
息を吐くと緊張が緩む事実を知ろう!
人間の身体は「息を吐く」と同時に「筋肉が緩む」という性質を持っています。これに関しても後日その仕組みについてはお話しますが、今日は、「息を吐く」→「緊張を和らげるんだ」ということを覚えておいていただけたらと思います。
これは私が勝手に思っていることですが、ピアノの上達は「脱力を極めること」だと私は思っています。脱力が上手になればなるほど指も動くようになるし、綺麗な音を奏でることができると私は思っているのです。脱力と呼吸はとても深い繋がりを持っていますので、脱力を極める→呼吸を極めるということになるのです。
つまり、リラーックスですね(^^)
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