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良いプレイヤーは名監督になれない場合もあるし、できないプレーヤーが名監督になる場合もある
先日、私の生徒さんの保護者の方から、「お友達のところのピアノの先生のピアノ演奏がとても下手なんですが先生としてダメなんですか?」という質問をされました。
私個人的には「ピアノの演奏能力と指導する能力は比例しない」と思うのですが、それを裏付けるデータ的なものも知らなかったので、実はそれを裏付けるデータが世の中にないのかしら???と調べて見たら、ちゃんと見つかるものですね。ということで、今日はそのデータを紹介しつつ、「ピアノ演奏が下手→良い先生ではないはウソ」というテーマでお送りしたいと思います。
名プレイヤーは名監督にあらずの真実は英語教育にも反映されていた。
このグラフは東大の教育学部を卒業した萩原雅之氏のホームページからお借りしたものです。
何を表しているかというと、「英検2級以上に合格した生徒と、それを指導した先生たちの学力(英語力)をグラフ化したものです。
詳しく説明していきますね。タテの数値が「生徒の学力(英検2級以上を取得)」で、横の数値が「教の学力(英検1級以上)」です。例えば、千葉の場合ですが生徒の47%くらいが英検2級以上を取得しているのに対して、先生の英語力を見ると英検1級取得の割合が30%代だということがわかります。もう一つの例として沖縄は、先生たちの英語力(1級取得)が70パーセントを超えているにもかかわらず、生徒の方の2級取得率が22%程度ととても低いことがわかります。
また群馬の場合は、生徒の2級取得率が50%とこのグラフの中ではかなり高いのに対して、教員の1級取得率は50%程度、他の県の教員と比べると決して高い数字ではないことがわかります。他の県のデーターを見ても、生徒の成績と先生の成績はほとんど比例していないということが、数字として表されているということになります。
そのスポーツを全くできない先生が生徒を全国大会に導くこともある
私自身、その情報をどこで知ったのかは覚えていないのですが、顧問の先生は全くそのスポーツができないのに(野球だったか?サッカーだったか?)生徒たちを全国大会まで導いてしまった顧問の先生がいるとか、その先生は楽器が全くできないのに、その学校の吹奏楽部をコンクールで金賞を取るまでに導いたという話はよく聞く話です。
また野球やサッカーでも、現役の選手だった頃は全くボロボロだったけれど、コーチや監督になることでチームの成績をものすごく上げることができている人という話も何度となく聞いたことがあります。
オリンピックで金メダルを取っている選手の指導者は絶対に選手ほどプレイできないという事実。
これは当たり前といえば当たり前のことなのですが、オリンピックで金メダルと取得している選手が付いているコーチや監督は、その時点で見たらその選手よりも実力は絶対に下だと思うのです。じゃなきゃ、本人がオリンピックに出て金メダルを狙っていますよね???(笑)で、そのコーチや監督が過去に金メダルを狙えるほどの実力があったのか?といえば、正直「?????」だとも思います。
私自身は、コーチや監督がその演技ができる必要はないと思っています。じゃぁ、何ができれば良いかというと、その選手を「伸ばせる能力」がいちばん大切だと思うのです。いくら先生やコーチや監督が素晴らしい演技ができたとしても、その生徒を伸ばすことができなかったとしたら、その先生、コーチ、監督に「指導してもらう」必要性があるのでしょうか?ね??? そう思いませんか???
先生は演奏できた方が良いとは思うけど、それに変わる何かがあれば良い。
私自身、ピアノのためにアレクサンダーの指導を受けていますが、私のアレクサンダーの先生は私よりもピアノは全然弾けません。でも、全然構わないのです。私がその先生から教えてもらいたいのは、ピアノの演奏そのものではなくアレクサンダーメソッドの身体の使い方なので。アレクサンダーを学ぶことで自分の音が綺麗になったり、演奏が楽になったりするのであればそれで良いと思っています。
演奏・・・ということにポイントを置くのであれば、確かに先生は少しぐらいは演奏できた方が良いかもしれません。でも、フルに全部、間違いなく弾ける必要はないと思っています。・・・というか、ぶちゃけて言いますが、私自身、そんなフルでほぼノーミスで演奏するってことができないタイプなので(汗)
同じ曲でも、生徒の方がすごく上手に弾けちゃうってこともあります。でも、部分的に「私ならこうする」とか、「ここのテクニック、この方が良いんじゃない?」というようなアドバイスはしてあげています。
実は「ピアノの先生」っていうのは。それで良いのではないかと思っています。
自分の先生から「自分の孫をあなたに頼みたい」と言われたことも。
つい、サブタイトルにしてしまいましたが、実は、私は私が指導していただいている先生から、自分の孫をあなたに頼みたいわ・・・と言われたことがあります。なぜかというと、小さい子供の教え方に付いて聞かれた時に何度か答えたことがあり、それが先生の記憶の中に残っていたのだと思います。
ピアノの先生と言っても、それぞれに得意分野、不得意分野があるのは当然のこと。私の場合は、子供から初歩者〜中級者の演奏に関しては、それだけ数をこなしていますので、そのレベルの方を指導するのは全然問対なくアドバイスしてあげられると思っています。
ところが音大受験とか、ピアノ教本でいうとチェルニー40番以上の生徒さんの演奏に関しては経験がないので、ちょっと・・・ん・・・という部分はあります(汗)。
とはいえ、例えば、40番以上の方であっても「身体の使い方」とか「綺麗な音の出し方」という方面のことや、「小さい子どもへの教え方」「初歩者の教え方」という部分に関しては、そこそこの経験があるので何とも思わないのです。
このように、一言で先生と言っても、いろいろなタイプの先生がいらっしゃいます。そしてどの先生も「良いとか悪い」という言葉では判断できないと思うのです。つまり、AKBで言えば、あっちゃんと大島優子ちゃんと渡辺まゆゆと、どの子が良い悪いってないですよね???それぞれに良さがあると私は思っています。
ですから、
もし、あなたが「生徒」の立場であるのなら、どんな先生から何を学びたいのか?を明快にしましょう。
そして、あなたが「先生」の立場であるのなら、どんな先生にも価値があるし、やり方に決まりはないのです。たとえピアノが弾けなくても「教えられれば良い」し、「その生徒ができるようになる」ができれば良いのです。
世の中には100 人いれば100通りの考え方があるのは当たり前のことです。多分、何が良い悪いもないと思います。あなたはどう思いますか?
<まとめ>
- 英語では生徒の実力と先生の実力が比例しないというデータがある。
- 部活動などで、先生はそのスポーツなどができないが、生徒を大会にまで導いている場合もある。
- 演奏がとても上手→指導が上手とは限らない
- 演奏で模範を示せなかったら、その生徒を伸ばせる他の方法を提示できれば良い。
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あなたがピアノで幸せになれるのをいつも応援しています。
今日も訪れてくださり、ありがとうございます。
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