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ピアノで強い音を出す方法。力ではなく速さが大事、頑張るのは無駄(動画説明付き)

ピアノの音が出る仕組みと強い音を出すために必要な知識って何だろう?

 

今回はピアノで音を出す仕組みと強い音を出すために知っておきたい基礎知識についてお話ししたいと思います。

1回では説明しきれなかったので、前半と後半の記事に分けます。今回は前半の記事で、後半はまだ動画もアップロードできていないので動画がアップロードでき次第、次の記事を書こうと思います。

さて、本題に戻ります。ピアノの打鍵(鍵盤を押すこと)の方法や音が出る仕組みに関しては、一般の方には誤解されている部分が多いので、ここでしっかりと理解していただけたらと思います。動画(この記事のいちばん下にあります)でも説明させていただいていますので合わせてご覧下さい。

 

アコースティックピアノと電気ピアノは形が似ているだけで違う楽器

 

ピアノとひとことで言ってもいろいろなタイプのピアノがありますが、ここでは「アコースティックピアノ」、つまり電気で音が出るのではない本物のピアノの音の出し方についてご説明します。

例えば、エレキギター(エレギ)とアコースティックギター(アコギ)を同じ楽器だという人はいないと思います。見た目は似ていますが、全くもって違う楽器です。

またピアニカとリコーダー(縦笛)はどうでしょう? どちらも息を使って音が出る楽器です。また指も使って動かして音を出します。でもピアニカとリコーダーを同じ楽器だという人はいませんよね

ところが、電気ピアノとアコースティックピアノは同じ楽器だと思う人が多いのは何故なんでしょう?形がそっくりかもしれないけれど、音が出る仕組みが全く違うのです。

 

本物のピアノで音が出せれば電気のピアノでは簡単に音を出すことが出来ます。逆に普段から電気のピアノでばかり演奏していると、本物のピアノは音が出る仕組みが違うので、鍵盤が重く感じたり、音が出にくかったり感じる場合が多いようです。

(私自身は、教えているという関係もあり、グランドピアノの他に、電子ピアノとエレクトーンを所有していますが、ほとんどグランドピアノ以外は触らないです。)

 

電気ピアノだけで音を出していると鍵盤が重く感じるというのは、実は鍵盤が重いのではなく、楽器そのものが違う楽器なので「演奏のやり方」も違うのです。

 

ですから、なんで自分は上手にならないんだろう?と思う人が「電気系のピアノ」を使っていたとしたら、そんなことは当然のことなのです。だって違う楽器を使って練習しているのですから、もしそれで上手になれたとしたらそれはそれですごいことです。

 

 

ピアノは打楽器&弦楽器です

 

私のYouTubeチャンネルの中でピアノの内部を何回かお見せしていますが、ピアノの中には弦がたくさん張られています。ピアノは鍵盤を叩くことでピアノの中のハンマーが上に上がって弦を叩くので音が出るという仕組みになっています。

なので、弦楽器というか?打楽器というか?叩くという意味では「打楽器」でしょうし、楽器の作りとしては「弦楽器」でもあります。ピアニカのように息を吹きかけて音を出すわけでもありませんし、電気で音を出すわけでもありません。叩くことによって音が出る仕組みになっているのです。

 

鍵盤はシーソーと同じ仕組み、テコの原理になっている

 

ピアノの鍵盤は、外からではわかりませんが、中を分解してみると「鍵盤の部分がシーソーと同じ作り、つまりテコの原理」で作られています。このサイトでもなんども同じことを繰り返してお伝えしていますが、鍵盤の手前を弾いた方が楽に音が出るのは、鍵盤がシーソーと同じ仕組みになっているからです。

 

ピアノの鍵盤は音を出さないこともできる

 

電気のピアノとアコースティックピアノの大きな違いのひとつに「電気のピアノは鍵盤を押したら絶対に音が出てしまう」というのに対して、アコースティックピアノは「鍵盤を押しても音が出さない」ということが出来ます。

もし身近に本物のピアノ(アコースティックピアノ)があったら、ぜひ実験してみてください。鍵盤をゆっくり押してみると音が出ないのです。(最近の電気ピアノはその機能を搭載しているものもあるようです)

では、逆に強い音を出そうとするにはどうすれば良いのでしょうか? 力??? じゃないんです、本当は。

鍵盤をゆっくり押すと音が出ないということは・・・・・・

そうなんです、早くすれば大きい音が出るのです。

 

リンゴを5階の窓から落としても、2階の窓から落としても「重さは同じ」。

 

動画でも説明していますが、同じ200gのリンゴを5階のビルの窓から地面に落としても、2階の窓から落としても、リンゴそのものの重さは変わりません。5階から落としたら500gで2階から落としたら200gなんてことがあるわけがありません。でも、5階から落とした方が地面に対する衝撃が大きくなるのはみなさんご存知の通りです。これって何なんでしょうね? これは実は「速さ」が変わるのです。5階から落としたリンゴには加速がつくので地面に落ちる力が強くなるのです。リンゴそのものが「重くなる」わけではないのです。

 

この原理からわかることは、ピアノに腕を落とした時に頑張って落としても、頑張らないで落としても「腕は腕」、重さは変わらないのです。だとしたら、頑張るだけ疲れるし、その力は無駄だと思いませんか?

 

じゃぁ、どうしたら音が出るのでしょう?腕の重さは変わりません。(当たり前です(笑))、だとすれば、高いところから落とす。そうなんです、それだけなのです。

力を入れるのではなく、力をぬく、そうすれば簡単に大きな音を出すことができます。

太鼓やドラムの音を出すのと同じ原理です。

アレクサンダーテクニックもお役に立つかもしれません。管理人Minnaも学んでいます。

 

アレクサンダーの入門としては良い本だと思います。アレクサンダーを知っている人だと物足りないかも? この写真をクリックすると購入できます。

 

動画でも説明しています。(2つあります)

 

 

 

 

ピアノの強い音は「力」ではなく「速さ」、速さの正体は「脱力」。

 

ピアノで打鍵力がなくて困っていると言う方も多いのではないでしょうか?かく言う私もそのうちのひとりだったのです。実際のレッスンを動画に撮影しましたので、この記事の最後の方に貼り付けておきます。

 

速さを頑張ると言うのはどう言うことだろう???

 

まずは、前回の記事の復習から。『前回は「強い音」の正体は「速さ」だった』と言うところで記事が終わってしまいました。   もう一度、復讐のために同じ内容を繰り返しますが、リンゴを2階から落としても、4階から落としても「リンゴの重さ」は変わりません。2階から落とそうが4階から落とそうが、リンゴはリンゴ、200gのリンゴは、2階にあっても4階にあっても200gです(当たり前ですが・・笑)   ところが、2階から落としたリンゴと4階から落としたリンゴは、同じ重さにもかかわらず地面に落ちた時の衝撃が変わります。   下に人間がいたとして、2階から落としたリンゴではさほど痛くなくても、4階から落としたリンゴはとても痛くなります。この違いは何でしょう? そうです。「距離」と「速さ」の違いです。 距離が長くなれば、その分「速さ」が変わり、落下速度が速くなるので地面への衝撃の強さが変わってくるのです。

 

「押す力」と「抜く力(脱力)」の違いを知ろう

 

動画では、子供達がわかりやすいように「クッション」を使って説明していますが、   「落とす」と言うのと「押す」と言うのは「ニュアンス」が違います。 「落とす」と言うのは、脱力して「自分の腕」が「物」になるようなイメージです。力が抜けると言うのは、誰かが動かそうとしたら「すぐに動かせる状態」を言います。すぐに動かせないと言うことは「力が入っている」と言うことです。   一方、押すと言うのは「自分の意思で押している」ので、逆に誰かが動かそうとしても「動きません」。これが「押す」の力です。 動画の男の子も「押すの力」とやっていますね(笑)

 

いよいよピアノに向かってピアノでチャレンジします。

 

この子供達は、普段のレッスンでこれ以外のアプローチでの脱力の方法や打鍵の方法を知っていますので、割とすぐに出来てしまっています。特にこの男の子は「強い音」を出すのがとても苦手なタイプの生徒さんでした先週と今週のレッスンがこの子にとってはとてもよい効果があったようです。 女の子の方は、まだもうちょっと理解を深めるためのアプローチが必要だと感じられますが・・・

 

ひとつの方向からのアプローチでは理解できない場合も多い

 

何かに対する理解ですが、実はひとつのアプローチからの説明だけで理解するのはとても難しいです。

 

例えば、16分音符を教える時に、私は10種類以上の教え方のノウハウを持っています。と言うのは、理解はその人(その子供)によって変わってしまうからです。Aの説明で理解できなくても、Bの説明で理解できたり、AもBも理解できなかったけど、Cの説明で理解できたりetc… 何が良いとか悪いとかではなく、理解はその人の経験によって異なるので、指導者がそれに合わせて説明を加えるしかないと私は思っています。

 

今回は、「強い音を出すには・・脱力」と言うテーマでご説明してきましたが、この説明もたくさんある説明方法のひとつの手法であると言うことにすぎません。   今後も別のアプローチで同じ話題について触れていきたいと思いますので、今回理解できなかったとしても、決して、読者であるあなたが悪いわけではありませんので気になさらないで下さいね。   質問などがありましたら、遠慮なくご連絡くださいね。

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