ピアノにもソロバンやお習字のような「検定」というのがあります。
ピアノ業界においては各楽器メーカーさん(YAMAHA,KAWAI,ローランドさんなど)がそれぞれ独自のグレードテスト(検定試験)を実施していて、私MinnaもYAMAHA演奏グレードという試験を受け、その資格を持っています。
今回はカワイグレードテストについて概要をまとめて、このグレードっていったい何の役に立つのかについて、お話をしたいと思います。
目次
KAWAIグレードテストとは?
KAWAIグレードテストとは、KAWAI独自のグレードテストです。
KAWAIの中で通じる演奏者のレベル、のようなもので
- YAMAHAさんの場合は→YAMAHA演奏グレード
- KAWAIさんの場合は→KAWAIグレード
- ローランドさんの場合は→「ローランド・演奏オーディション」
と、どの楽器店の音楽教室でもグレードテストというのが存在します。
KAWAIグレードテストの試験内容
KAWAIグレードテストの試験内容は
- 生徒(学習者)が目指す試験内容(グレード)
- 指導者(先生)が目指す試験内容(グレード)
と分けられており、KAWAIさんの場合、16級〜7級が学習者(生徒)が目指す級で、6級以上が指導者が目指す級になっています。
KAWAIグレードテストの目的
KAWAIグレードテストの目的について、公式サイトではこのように書かれています。
- 内的動機づけ
生徒さんの学習に対する動機づけとして、外から与えられるものによって動機づけられるのではなく、自らの意識の中で知識や技術が身に付いてゆくことを自覚し、その自覚が次のステップへの意欲となることを目指します。- より専門的な音楽教育への案内
より高いレベルの教育を継続し、専門家への道筋を開くことを目指します。- 音楽教育者の育成
音楽指導者・演奏家として、常に心掛け実践しなければならない演奏技術の向上と、知識や音楽能力の向上のための自己啓発を促します。
私としても動機づけとしてのグレードテストはかなり有効だと思っています。
日々のんべんだらりと練習するよりも「○月○日にグレードテストがあるから、▼月▼日までにはこれを仕上げてしまおう」とレッスンの予定が立てやすく、また生徒さんもメリハリを持って練習できます。
最後の追い込みなどの効果もあり、グレードテストを受けた子と受けなかった子では結構差ができてしまう場合も多いのです。
別にグレードテストだけの効果でもないのですが(コンクールや発表会でも同様の効果あり)、グレードテストを受ける意味はあると言ってもいいでしょう。
KAWAIグレードテスト16級~7級について
KAWAIグレードテストの、生徒さん向けである16級~7級について解説します。
受験資格
カワイグレードテスト16級~7級の受験資格は
- カワイ音楽教室の生徒(「課題区分A・B」のみ)
- カワイ音楽教育研究会会員の生徒
- カワイ音楽教育システム契約特約店の生徒
- カワイシステム教室の生徒
です。
カワイ音楽教室の生徒さんをはじめ、他のカワイ系列の音楽教室でもカワイグレードテストの受験は可能ということですね。
原則として16級から順番に取得することとなっていて、飛び級することはできません。
受験料
カワイグレードテストの16級から7級までの料金についてまとめます。
カワイグレードテスト受験料(参考)
受験級 | 受験料(税込み価格) |
16級 | 無料 |
15級 | 2,310円 |
14級 | 2,860円 |
13級 | 3,410円 |
12級 | 3,740円 |
11級 | 3,960円 |
10級 | 4,180円 |
9級 | 4,510円 |
8級 | 4,730円 |
7級 | 4,950円 |
級が上がるにつれて値段が上がる印象ですね。
受験会場
無料で受けられる16級は、試験自体も普段レッスンをしている教室で行ないます。
15級以上は全国の受験会場で受験することになります。
会場や日程はこちらのページから確認できます。
なお、
- A区分
- B区分
- C区分
と区分けがありますが、違いは出題範囲です。
事前にピアノの先生にどの区分を受験するのか訪ねておきましょう。
難易度について
難易度としては13級くらいまではほぼほぼ落ちません。
先生もある程度の勝算を持ってテストを勧められる事が多いので、自身を持って受けましょう。
12級くらいからは油断すると落ちる生徒さんが出はじめ、9級くらいからはきちんと準備をしないと危ないかも、という肌感です(あくまで筆者の感覚ですよ、笑)。
KAWAWIグレードテストを受けない選択肢はあるのか【受けるメリット】
KAWAIグレードテストを受けるメリットとしては
- レッスンにメリハリが付く
- 成功体験のきっかけになる
- 履歴書にも書ける
ということです。
レッスンにメリハリが付く点は上でお話したとおりなので、ほか2つについて解説します。
成功体験のきっかけになる
幼少期の成功体験というのは、その後の成長過程において大きな影響を及ぼすと言われています(参考)。
成功体験というのは「チャレンジ→成功」の流れでです。
子どもははじめは「ただなんとなくやれと言われてやっただけだけど、なんかできて褒められた。みんな嬉しそう」から、「やってみた、なんかできた」という状態を経験して、「あれもやってみたい、これもできそうな気がする」と自信を深めていくもの。
過去に何かしら成功した経験から、人は次のなにかにチャレンジできるのです。
ほぼ合格できる16級から始まるカワイグレードテストを定期的に受けるによって、少しずつ成功体験を積み重ねていけるのではないでしょうか。
履歴書にも書ける
グレードテストは漢検やTOEICのように、履歴書に書けます。
といっても就職活動など本格的に履歴書が活きる場面でカワイグレードが効果を発揮するのは、講師グレードである6級以上です。
「じゃあそこまで続けられない場合は意味ないのでは?」
とも考える方もいますが、そうとも言えません。
むしろピアノを習っている全員がプロにならないからこそ、「過去にピアノを習っていてここまで進んだ」という軌跡になると思うのです。
「子供の頃ピアノ習っていたみたいだけど、今となっては楽譜は読めても指なんか全く動かないし、ほとんど何も残らなかったなあ」となるよりは「この級までは取ってたよね、苦労したなあ」となる方が、今有意義にピアノを学べるのではないでしょうか。
KAWAIグレードテストを受けるデメリットはほぼ無いので受けましょう
KAWAIグレードテストを受けるデメリットはほぼありません。
強いて言うならお金がかかるくらいですけど、ピアノを習うにあたってはもっとお金がかかる場面が多いです。
メリットのほうが大きいので、どうせなら受けておきましょう。
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今日も、あなたがピアノで幸せになるお手伝いをしています。
今日も訪れていただきありがとうございます。
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