目次
PTNAのピアノステップは、発表会形式の演奏検定試験
前回の記事では、楽器メーカーが行なっている演奏グレードについてのお話をしました。
今回はPTNA(全日本ピアノ指導者連盟)が行なっているピアノステップ(ピアノ検定)の内容についてお話ししていきたいと思います。
前回の記事YAMAHA,KAWAI などのグレード試験とPTNA(ピティナ)ステップ(検定)の実態。も合わせてご覧くださいね。
前回のお話と少し重複してしまう部分があるかもしれませんが、復習の意味も込めて、もう1度、PTNAのステップについてお話させて頂きます。
PTNAというのは,ピアノ指導者協会のことを言い、日本ではピアノに関する団体の中では一番大きい組織を持つ法人です。
PTNAの組織運営の中には、YAMAHAさん、KAWAIさんといった音楽産業を牽引する企業も名をつられていますし、各有名音大もPTNAの運営に大きく関与しています。
中でも特に有名なのは「ピアノコンクール」で、「PTNA主催」という看板が付いていると、「あー、PTNA(ピティナ)なんダァ・・」という感覚はあります。どういうことかというと、一線を格しているイメージです。
例えば、年末の歌番組に置き換えると、YAMAHAなんとかコンクールとか、神奈川なんとかコンクール、グレンツェンピアノコンクール
というのがなんとなーーくちょっと小さいイメージがあるのに対し(決して小さいわけではないのですが)、PTNAのコンクールとなると、「あ、PTNAなのね」というちょっと一目置くような感覚があります。
置き換えるなら、FNS歌謡フエスティバルや各放送局の年末歌謡番組が小さなコンクールのイメージであるのに対して、PTNAのコンクールは「紅白歌合戦」のようなイメージです。
(ただし、あくまでも国内に限る) やっぱりピアノはヨーロッパの楽器なので、ショパンコンクールなどの海外のコンクールじゃないとピアノの世界ではちょっとネームバリューが足りないイメージはあります。
PTNA,ピアノステップの実際の内容と評価
前置きが長くなりましたが、PTNAのピアノステップは、その(前述の)PTNAが主催しているピアノ検定です。
受験料はピティナ会員だと一般の人よりも2000円くらい?だったか?安くなります。この会員というのは受験者本人が会員になっている場合もありますが、指導者が会員になっていれば「指導者会員割引」が使えますので、その生徒さんも割引の対象になります。
試験の内容は、課題曲が1曲と自由曲が1曲の合わせて2曲です。自由曲はレベルに応じて使える分数が決まっていますので、初歩の段階のステップを受けた場合は長い曲を持っていくことができません。
YAMAHAさんが演奏だけでなく、初見や曲のアレンジ、即興演奏などを試験項目に加えているのに対して、ピティナのステップは「演奏だけ」に絞った内容になっています。そして、会場にもよるのでしょうが、私が知っている限りではYAMAHAの演奏グレードが小さい教室のスペースで試験官2、3人の中で演奏するというのに対して、ピティナのステップは発表会形式になっていて、舞台、もしくは小さなサロンホールで演奏するという形式になっています。 こういったことから、自分の生徒が少ないピアノの先生が発表会の場としてPTNAステップを使うという場合もあるようです。
ピアノステップを勧められない生徒さんって???
あくまでも私の感覚を書きます。
正直にいうと、私の生徒さんの全員をピアノステップに出せないというのが本音です。というのは、PTNAというのは「ピアノ演奏を学んでいる人」というイメージも強く、審査もそんなに甘くはないと思っています。
子どもの場合で言えば、幼稚園児でもバイエルの後半レベルで受験する子供もいますし、そのレベルも決して低くはありません。
ところがピアノを学ぶ全体の生徒像を見た場合、「しっかり基礎を学んで・・・」というのが苦手な生徒がいるのも事実です。私の生徒で言えば、「アニソン(アニメの歌)が好き」という生徒は、とにかく形なんかどうでも良いから楽しく弾ければ何でもよい!というタイプの生徒さんもいます。それはそれで私はアリだと思っているのです。(本人が楽しいのだから)
そういう生徒をピティナのステップに出すと、その生徒がどうなるかは目に見えている部分もあるので、そういう生徒の場合はピティナのステップを勧めることはできない感じはあります。
ピアノステップを受けさせたい生徒さんって???
ピアノステップがとても効果を発揮する生徒のタイプを3パターンほど紹介したいと思います。
年齢が小さい生徒ほど、オールAがつく確率が高い。
とても年齢が低い生徒で、始めたばかりの子供の場合はピティナのステップはオススメです。理由はいくつかありますが、小さい生徒、初級段階の生徒ほど成績が高い評価が出ます。ピティナの場合は、審査員が3人という場合が多いのですが(私の地区の場合)、基本的な演奏ができればオールAという成績が付きます。 審査員の先生が講評をお話しされるときにも同じことをおっしゃっていますが、「これから頑張って欲しい」という気持ちを込めて成績を甘くしている部分もあるのだそうです。
自分はできる!!!と思い込んでしまっている生徒
私のように個人の教室だと、生徒数にもよりますが同じ年齢の生徒が数名しかいないという場合があります。
そんな中で、割と進みが早い生徒の場合、「自分はできてるじゃん!!!」と思ってしまう生徒もいるので、井の中のカワズになってしまう場合があるのです。そんな時に、私はピティナのステップを受験することを勧めたりしています。 たまにですが、同じグループの中にコンクールに出るリハーサルとしてステップを使うという生徒さんもいますので、相当なレベルでの演奏をする子供もいます。そういう子たちの演奏を見たり聴いたりすることはその生徒にとってもよい刺激になる場合もあります(性格を見極めなければなりませんが)
大人の生徒さんの場合は目標ができる!
大人の生徒さんにとってもピティナのステップはとても良いのではないかと思っています。 というのは、大人の場合は子供と違ってピアノ仲間を探すとか、自分がどんな感じなのか???ということを知るチャンスがとても少なくなってしまうからです。
また何の目的も持たずに進めるよりも何か1つ目標を作るというのも良いことだと思っています。 また、ピティナのステップにはグランミューズという区分もあります。
グランミューズというのは、子供は参加できない会場(グループ)があって、大人からピアノを始めた方や大人でピアノを楽しんでいらっしゃる方を対象にいろいろな催し物を開催してくれています。
例えば、オーケストラなどとの共演というイベントなどもあり、ピアノを楽しむためにPTNA(主催者)側の運営事務局がいろいろな工夫をしてくださっているのです。 PTNAのステップの成績のつけ方などについてもお話をしていきたいのですが、またボリュームが多くなってしまったので今日はここでおしまいにしようと思います。
次回は、PTNAのピアノステップの成績のつけ方、評価基準などについてお話していきたいと思います。 この記事が、どなたかのお役に立てたら嬉しいです。
いつも、あなたがピアノで幸せになるのを応援しています。
今日も訪れていただきありがとうございました。
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