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ピアノでトリルを美しく演奏するには・・・
ピアノのトリルで苦労されている方がどうも多いようなので。今回はそのお話をしていこうと思います。ピアノのトリルは他の楽器では真似できない独特の奏法ですので、ぜひマスターしたいテクニックのひとつです。
ピアノのトリルは仕組みを知れば難しくない!
私が昔習っていた先生は、難しいテクニックが出て来ると「これは難しいテクニックだから、上達したらやりましょうね」というタイプの先生でした。なので、私は上級(じゃなかったかも知れないけど)と言われるレベルに達するまで高度なテクニックは全く学んできませんでした。ところが、私も娘のピアノの先生は相手が入門者だろうが幼児だろうがそのテクニックが出てきたら根気よくテクニックを学ぶ方法を教えてくれるという先生でした。その事実を知って、私は私の生徒さんいはレベルに関係なく最初の段階から装飾音符やトリルなどのテクニックを教えています。
初心者の段階からトリルなどの高度なテクニックは学ぶべき
「子供にトリルなんて無理なんじゃない?」という考え方も確かにあります。トリルをマスターするには地道な努力が必要だというのも事実です。でも、逆に「初心者」だから「子供」だから、怖いもの知らずの部分もあり、また「難しいことに挑戦しているという感覚(モチベーションを保てる)が出来る」というのもあり、こういった観点からトリルなどの高度なテクニックを初心者段階から学ぶというのもアリだと私は思っています。
もちろん、これはその対処者(生徒の性格)によっても異なります。でも、大丈夫そうだったら、私は意図的に初心者の段階からトリルや装飾音符を教えてしまいます。
理由はいくつもありますが、いちばん大きな理由は、トリルは回数をこなした方が絶対に上手になるのは事実だからです。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる!」と言う有名な言い伝えがありますが、トリルも同様、初心者のうちからやっていた人と、ある程度まで弾けるようになってから始めた人とでは、やっぱり前からやっていた人の方が上手になるのは当然のことなのです。
なので、自分は初心者だから無理とか、子供だから無理なんて思わずに「やってみたいなぁ」と言う気持ちが少しでもあるなら、ぜひトライしてみてくださいね。
そのピアノのトリルをする場所(パタパタの場所)を認識する
まず、いちばん大切なことをお伝えします。トリルというのは2つの音が交互に綺麗に鳴ることによって「トリル」という技が出来上がります。この2つの音がスムーズに交互に鳴り響かなければ「トリル」にはならないのです。
伝わりますか??
例えば、ドレドレドレドレドレ のトリルをやりたい時に、
ド レド レド レド レド レ でもダメだし、
ドレ ドレ ドレ ドレ ドレ でもダメだし、
ドレド レド レドレ ドレ でもだめなんです。
「トリル」は、すべての音の中に「隙間」ができてはいけません。
その隙間を無くすためにとても大事なのは、「ピアノを弾く際に音が途切れる瞬間があってはならない」ということです。
ピアノ本体の遊び部分を許してはならない
ピアノの鍵盤には実は「遊び」という部分があります。この「遊び」というのは、ピアノは押しているけれど「音が鳴らない」という場所までのほんの数ミリの距離を言います。(動画でも説明しているので、分かりにくかったら動画をみてくださいね)
つまり、ピアノの鍵盤の上を「水面」だと仮定したとします。ピアノの鍵盤の音を出そうとした時に、指が水面に触れる→その瞬間に音は出ません。そこから数ミリ下の部分に指が達しない限り音が出ない仕組みになっているのです。この遊びを探す時には、逆に、まず音を出して指をどんどん上に上げていって「音がなくなる部分」を探します。その場所がそのピアノの遊びの場所です。つまり音が出るのと音が消えるという部分のポイントになります。
その遊びのポイントから上の部分で「トリル」をすると「音に隙間」が出てしまいます。
つまり、本当は自分は「ドレドレドレドレ」にしたいのに、ポイントより上でトリルをやっていたら、いくら練習しても「ドレ ドレ ドレ ドレ」と隙間が出来てしまうのです。
ですから、トリルを上手にやりたければ、そのピアノの「遊び」の部分をしっかりと認識しなければなりません。
指の「根っこ」「付け根」ってどこか?を認識して弾いてみよう!
今からお話しする内容は、実はトリルの時だけに限らずにピアノ演奏で指を動かす際にいつも使える技なので、しっかりと覚えておいていただきたいと思います。技というよりは知識といった方が良いでしょうか?(笑)
さて、指を動かす時なのですが、私たちは無意識に指を動かすと「爪」の部分を「指」だと認識してしまうクセを持っています。試しに、今、この記事を読みながら、指を動かしてみてください。
指の重さとか感覚とかを覚えておいてくださいね。
次に事実をお伝えします。
指というのは実は手首の中に「指の根っこ」のようなものがあります。そこを動かすと指が動くのです。動画の中でも手の骨の模型を紹介していますので合わせてご覧くださいね。(写真参照)
ですから、今度は、指は手首の中にあるボコボコした骨(写真では一番下の部分)が指と繋がっていて動いているというイメージを持って指を動かしてみてください。指が軽く感じませんか???
何が変わったかというと「意識が変わった」だけのことなのです。
私たちが「事実」を見た、もしくは事実を納得した。それだけのことで指の重さが変わるのです。
トリルの指は「押す」のではなく「釣られてパシャパシャ」の感覚
私も日頃ピアノを教えていて「自分の中の感覚」を「人に伝える」のはとても難しいと思っています。でも、できるだけ頑張って伝えて見たいと思います。これから書く内容があなたの感覚とぴったり来なくて伝わらなかったらごめんなさい。
トリルの指なのですが、この指は第3関節から「ぶる下がっている」イメージを持ちます。
第3関節がしっかりしていないと指先の脱力が不可能です。ですから、まずトリルを連取うっしようと思ったら、第3関節を整える(張りを作る)ことから始めてください。張りが出来なければ「指先の力は抜けません」。
分かりやすいかどうか?分かりませんが、テントがあったとしたらテントの張り(芯になる某)がなければテントの布を保つことはできません。そんなイメージです。もしくは、ビニールハウスの針金の枠がちゃんとしていなかったら、ビニールを張ることも出来ない・・という感じです。
張りを作る(芯を作る)→ 指先の力を抜くことができる(脱力)→ 指は水泳のバタ足のイメージ。膝から下をバタバタしてお欲のではなく、「パシャパシャ」して泳ぐイメージです。
ここまでが出来るようになってきたら、あとは「粒を揃えて引ければ良い」だけなので、過去記事「ピアノの粒は揃わないという意味とそれを改善する練習方法」の記事を参考になさってください。
文章で伝えるのはとっても難しい・・と思いながら、一生懸命伝えようとしているのですが、少しでも伝わりますでしょうか?
動画も合わせてご覧くださいね(3本あります。お時間があるときにどうぞ♪)。↓↓↓
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