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ピアノの強い音を出すのは「力」ではなく「速さ」が大事。速さの正体は「脱力」だった(後編)

ピアノの強い音は「力」ではなく「速さ」、速さの正体は「脱力」。

 

数日前に動画と合わせてご紹介した「強い音を出す仕組み」についての記事の続編をお送りします。ピアノで打鍵力がなくて困っていると言う方も多いのではないでしょうか?かく言う私もそのうちのひとりだったのです。今回も実際のレッスンを動画に撮影しましたので、この記事の最後の方に貼り付けておきます。また、前回の記事「ピアノの強い音を出すのは力ではなく速さが大事(前編)」も合わせてお読みいただけると、さらに理解が深まると思います。

 

速さを頑張ると言うのはどう言うことだろう???

 

まずは、前回の記事の復習から。『前回は「強い音」の正体は「速さ」だった』と言うところで記事が終わってしまいました。   もう一度、復讐のために同じ内容を繰り返しますが、リンゴを2階から落としても、4階から落としても「リンゴの重さ」は変わりません。2階から落とそうが4階から落とそうが、リンゴはリンゴ、200gのリンゴは、2階にあっても4階にあっても200gです(当たり前ですが・・笑)   ところが、2階から落としたリンゴと4階から落としたリンゴは、同じ重さにもかかわらず地面に落ちた時の衝撃が変わります。   下に人間がいたとして、2階から落としたリンゴではさほど痛くなくても、4階から落としたリンゴはとても痛くなります。この違いは何でしょう? そうです。「距離」と「速さ」の違いです。 距離が長くなれば、その分「速さ」が変わり、落下速度が速くなるので地面への衝撃の強さが変わってくるのです。

 

「押す力」と「抜く力(脱力)」の違いを知ろう

動画では、子供達がわかりやすいように「クッション」を使って説明していますが、   「落とす」と言うのと「押す」と言うのは「ニュアンス」が違います。 「落とす」と言うのは、脱力して「自分の腕」が「物」になるようなイメージです。力が抜けると言うのは、誰かが動かそうとしたら「すぐに動かせる状態」を言います。すぐに動かせないと言うことは「力が入っている」と言うことです。   一方、押すと言うのは「自分の意思で押している」ので、逆に誰かが動かそうとしても「動きません」。これが「押す」の力です。 動画の男の子も「押すの力」とやっていますね(笑)

 

いよいよピアノに向かってピアノでチャレンジします。

 

この子供達は、普段のレッスンでこれ以外のアプローチでの脱力の方法や打鍵の方法を知っていますので、割とすぐに出来てしまっています。特にこの男の子は「強い音」を出すのがとても苦手なタイプの生徒さんでした先週と今週のレッスンがこの子にとってはとてもよい効果があったようです。 女の子の方は、まだもうちょっと理解を深めるためのアプローチが必要だと感じられますが・・・

 

 

ひとつの方向からのアプローチでは理解できない場合も多い

 

何かに対する理解ですが、実はひとつのアプローチからの説明だけで理解するのはとても難しいです。   例えば、16分音符を教える時に、私は10種類以上の教え方のノウハウを持っています。と言うのは、理解はその人(その子供)によって変わってしまうからです。Aの説明で理解できなくても、Bの説明で理解できたり、AもBも理解できなかったけど、Cの説明で理解できたりetc… 何が良いとか悪いとかではなく、理解はその人の経験によって異なるので、指導者がそれに合わせて説明を加えるしかないと私は思っています。   今回は、2回に渡って「強い音を出すには・・脱力」と言うテーマでご説明してきましたが、この説明もたくさんある説明方法のひとつの手法であると言うことにすぎません。   今後も別のアプローチで同じ話題について触れていきたいと思いますので、今回理解できなかったとしても、決して、読者であるあなたが悪いわけではありませんので気になさらないで下さいね。   質問などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。

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