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日本のピアノ教育は世界の中では遅れているのをご存知でしたか?
ピアノの演奏方法、ピアノの弾き方が年々進化しているというお話は前回の記事「基礎の基礎がその後のピアノ人生を作る」をご覧くださいね。今回はもっと具体的に、昔の演奏方法と今(?)の演奏方法の違いをご紹介しようと思います
世界では日本人の演奏方法だけが特殊?
これに関しては、前回の記事「ピアノの演奏方法も進化する」に書いてありますので、ここでは割愛します。興味がある方は前回の記事も合わせてお読みくださいね。
さて、日本は明治時代にピアノと演奏方法をヨーロッパから輸入し、日本におけるピアノ演奏というのがスタートした訳ですが、残念なことに数多くの戦争を経ることによりほぼ鎖国状態になり、ピアノ演奏方法の進化が途絶えてしまった訳です。
そういう訳で、世界を基準に考えた場合、日本のピアノ教育はものすごく遅れていると言われています。今、2010年代に入り多少この考えも変わってきつつあるのかもしれませんが、歴史が変わる、認識が変わるのにはものすごく長い時間が必要なので急展開でヨーロッパに追いつくのは難しいでしょう。
事実、私の友人は音大ピアノ科卒ですが「自分が先生を探すとしたら海外に行っていない先生は選ばない!」と断言するほどです。
私もYouTubeなどでピアノを演奏している人の姿をよく見ますが、日本人と外国人のピアノ演奏の姿勢、腕の使い方、手首の回し方etc…. かなり違うことがわかります。
しかしながら、これは現実問題なのですが、街でもしくは住宅街でピアノを教えていらっしゃる先生方(楽器店講師の先生も含めて)はこういう教育を受けていらっしゃる方もさほど多くはなく(ヨーロッパ形式?の)、未だに、昔ながらのハイフィンガー奏法を主体に教えていらっしゃる先生が多いのも事実です。
ハイフィンガー&脱力奏法を比較したら?
日本で主流のハイフィンガー奏法
昔から日本に定着しているのがこのハイフィンガー奏法です。
「指をいったん高い位置まで持ち上げて高い位置から指を落とす」というのがこの奏法の特徴です。昔ピアノを習ったことがある方なら、この奏法を教わっていることと思います。
また、今でもこの奏法を教えていらっしゃる先生も多いです。見た目で判断した時に上半身が前かがみになり、指を上から落とすのが特徴です。
海外で主流の?脱力奏法(ローリング奏法も含む)
「脱力」というのはピアノ演奏には欠かせないテクニックのひとつです。「ハイフィンガー奏法をしつつ脱力をする」こともあります。
今ここでお伝えしたい脱力奏法というのは、指の力ではなく「指はほとんど脱力した状態で、体重の重みを利用してピアノを演奏するというもの」を指します。
見た目で判断した場合、どちらかというとそっくり返ってピアノを弾いているような印象を与える場合もあります。
テクニック抜きで上級に進めない(かも?)
ピアノ学習者が中上級者レベルになってピアノを演奏した時に、どうしても避けて通れないテクニック(技?)が「脱力」と「手首の回転」です。
それはハイフィンガー奏法で勉強してこられた方でも脱力と腕の回転の理屈はちゃんと学ばないと演奏自体に無理が出ます。
中には感覚が素晴らしくて、教えなくても(教わらなくても)出来ちゃう人もいます。
ただそういう人はごく稀です。またちゃんとしたテクニックを学んでなくても無理やり弾いちゃう人もいます。
身体の骨格に恵まれていたり、ゴリ押しでも演奏できちゃうといったタイプの方がそれに当たります。
ただ、多くの場合はちゃんとしたテクニックを学ばないと、それ以上に行けない「頭打ちになる」というのが事実です。
脱力奏法は教えるのがたいへん!!
日本人と西洋人の文化の差が理解を妨げる
教える側の立場から言うと、相手が小さな子供や大人でも初心者の場合、ハイフィンガー奏法と脱力奏法を教えることを考えた場合、初心者や子供に脱力奏法を教えるのはとっても大変です。
日本人の場合、身体の重さをかけるとか、どうして鍵盤から音が出るのか?とか、そういう理屈から教えなければ脱力奏法は理解できないからです。
なぜ理解できないのかと言うと、日本と西洋では文化が全く違うと言うのが大きな要因のひとつでもあります。(これに関しても、近いうちに別に記事を書きますね)
とにかく教わる側の皆さんが知っておいた方が良い情報としては、脱力奏法の理解はハイフィンガー奏法を理解するよりも、ちょっとだけ難しいと言うことを覚えておいていただければ良いと思います(指導者の方は、そこまで書かなくても理解していただけると思うのでここでは割愛します)。
脱力奏法を初心者のうちから学ぶことは、ちょっと時間はかかってしまいますが、それでも先にそれを学ぶことがピアノライフ全体から考えた場合はとっても近道だったりもします。
と言うのは、ハイフィンガー奏法を学んだとしても、遅くても中級者になるまでには脱力の基礎、ローリングの基礎を学ばなければならないからです。
応用できる方を選ぶ?それしか出来なくても良い?
もうちょっと分かりやすく説明しますね。
1、「それだよ」と教えてしまう。
例えば「音符を読む」と言う勉強をする時に、「ソ」の場所を子供に教えて「ここはソなんだからね!」と教えるのか??
2、「仕組みを教えて」しまう。
音符の読み方のシステムを教えて(上がり方、下がり方など)、その中で「ソ」と言うのはここだと教えるのか?この1と2の違いだと伝えれば、ご理解いただけるでしょうか?
1を教えたら「ソ」以外の音符は認識できませんが、2を教えればソ以外の音も認識することができるようになります。つまり2は応用がきく教え方だと言えます。
教える側からすれば、1で教えてしまうのがとってもラクです(一時的には)。また教わる側も目先で考えれば「1」の方が覚えるのもラクです。でも、もっと広いスタンスで見た場合は、2のやり方をマスターしてしまいさえすれば、先生がいなくても音符は読めるようになるのです。
このお話を「ハイフィンガー奏法とハイフィンガー奏法と脱力奏法」に置き換えて見てください。あなたはどちらを選びたいですか?
少なくとも私はピアノを教えている立場の人間として、ピアノライフを長く楽しんでもらうために2のやり方で生徒さんに教えることを選んでいます。
この続きは次回以降の記事で、さらご紹介していきますね。
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