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ピアノの教本の「進み方が速いから上手」とは限らないし、「遅いから下手とも限らない」
今日は、ピアノのスキルアップのスピードについてのお話をします。子供の場合、親御さんが「あの子の方が進みが早いとか遅い」とか、よくそんな話を耳にします。おそらく大人の生徒さんも自分の進みの方が遅いとか、あの人より速いとか、気になるのはよく分かります。前にも同じ話をしているのですが、実はピアノの進み方と実力は全然比例しないのです。その時のお話は「ピアノではやっている教本とと実力は比例しない」の記事も合わせてお読みくださいね。
今回は、ちょっと角度を変えて、実は「ゆっくり進むタイプの方が、断然「強い!」というお話をしたいと思います。
進み方が遅い生徒の方が、長続きするのはなぜ???
私が25年間ピアノを教えてきて、ピアノの進み方に関して共通して言えることがあります。それは、実は「進み方が遅い生徒さん」の方が続く場合が多いということです。
データを取っているわけではなく、私の体感・感覚的な物差しでの判断なのですが、「進み方が遅い」生徒さんの方が「ピアノが長続きする」というのは事実なのです。それに関して私が思うところを紹介しますね。
進みが遅い生徒さんは、「速い段階から繰り返し練習するクセがついている」
1,進みが遅い生徒の場合
進みが遅い生徒の場合、入門当初から「なかなか出来るようにならない」→ なんども練習するしかない → 出来るようになるためには「数をやる」のが当たり前 という仕組みがその子供(人)の脳内で出来上がっています。
2,進みが遅い生徒の場合
一方、進みが早い生徒の場合は、元々が器用ということもあるのでしょうが、苦労しなくても「できてしまう」→努力する必要がない。→ 練習しなくてもできてしまう
1と2を比べると、一見、2の方が良さそうに見えまずが、実はそんなことはないのです。
なぜかというと、2の場合で進んできた生徒でも「どこかの段階」で「1」に行かなければいけない時期が来るのです。それが早いうち(小さい頃)ならまだよいのですが、大きくなるまで挫折を知らない、もしくは「今までスラスラできたのに、ある場所から出来るようにならない」という時期が訪れます。
その時期は、人それぞれなので、どのタイミングで来るのかは分かりませんが、いつかその時期は訪れるのです。
そして、1のタイプに移行できる生徒はとても数少ないということも事実です。
なぜなら、『今まで「頑張らなくても、練習しなくても、苦労しなくても出来ていた」』ので、「出来ない壁」を乗り越えることが出来ない場合が多いのです。
逆に、もともと「出来ないタイプ」の生徒さんは、最初の段階から「出来るようになるためには、苦労するしかない、練習するしかない、数をこなしてやるしかない」ということが身についていますので、その生徒の前に「壁」が訪れても、それはいつものこと、いつも通り、コツコツやるというクセづけが出来ているのです。
雑草が結局はいちばん強いというのはどの世界も同じ
参考になるかどうかは分かりませんが、娘が就職活動をしていた時期の話がヒントになると良いなぁ・・と思います。
実は私の娘は、まぁまぁトップクラスの私大を卒業しました。娘の場合は「浪人」という挫折を味わっていたのですが、同じクラスには、現役で入学した子もいましたし、その中には日本ではトップクラスの高校を卒業したという子も多かったとのことです。
その学生たちが「就職試験」で初めての挫折を味わうことになります。
今までは、自分さえ勉強していれば結果がついてきた。つまり、「どんな学校でも入学できた」のに、就職試験となると自分の力だけでは通用しない部分が出てきます。就職となれば、どんなに学力があったとしてもその会社から求められる人間像でなければ合格をいただけないのです。学力だけでなく、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など、他の色々な力が求められるようになってきます。
そして、その子達が生まれて初めて「数多くの不合格」をもらい、なかには「もう大学に行けない」という学生も多かったそうです。
そういう学生を見て、私も娘も含めて「浪人」を味わった学生たちは、遠目でその現役の学生を見ていたようです。
この話って、社会でも同じようなことが沢山ありますよね。この就職活動の話とピアノの進み方の話もとても共通点が多いです。
ピアノも、地道にコツコツをやっていれば、必ず「花は開きます」。
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