みんなのピアノです。
今日は、『タイ』と『スラー』の違いについてお話をしていこうと思います。
▼ 動画はコチラ ▼
以下は動画の内容を文字としてお届けしています。
目次
『タイ』と『スラー』は見た目が一緒
ではどうやって演奏の違いを聞き分けたらいいの?とか
実際『タイ』と『スラー』って何が違うの? という内容についてお話していきます。
また、『スラー』に関しては、演奏するのにコツがありまして、 それもお話ししていこうと思います。
この動画を最後までご覧いただくと 『タイ』と『スラー』の区別がしっかりとつくようになって、
『スラー』が出てきた時の、ワンランクアップした演奏方法も習得することができますので、
ぜひ最後までご覧ください。
最後の方に、私が教えている受講生さんが、 一か月半くらい練習をしたビフォーアフター動画があります。
『スラー』をやったか⁈やらないか⁈だけで こんなに曲が変わってきているということを納得していただけると思いますので、
是非そちらの方も見て参考にしてください。
最後までよろしくお願いいたします。
1,『スラー』の意味
『スラー』は音楽記号の1つです。

タイも同じような感じなので後で説明します。
縦かっこの上の部分みたいな部分です。
これを『スラー』と言います。
どう使うかは、後でお話しするとして、
大人用に説明をしますと、大きく意味が2つあります。
1つは息つぎです。
2つめは、句読点の点と同じという意味です。

Screenshot
息つぎについて、これはうちの生徒さんでもあるあるパターンなのですけれど、
『スラー』があるのとないのとで、どう曲が変わってくるか?をお話ししていこうと思います。
【いとしのエリー】という曲でやってみましょう。
まず『スラー』を使わないで弾いてみます。(切れ目なく弾く)
…聞いていて苦しくないですか?
今のは全然息をしてないのです。
次に息をして弾いてみます。
息があるかないかで、聞いている感じがかなり違うんじゃないでしょうか?
2,フレーズをどこで切るか
音がわからない方もいらっしゃるので、
学校みたいですが、日本語の文章で説明してみますね。
鉛筆とメモ帳を用意していただけますか?
今から「ひらがな」の例を出しますので
ご自身の感覚としてどういう風に読んだかを、メモに取ってみてください。
①りかちゃんとやった

②ここではきものをぬいでください

③いいにくかった

④わたしといてください

以上4つ、ご自身なりに言葉を書きましたか?
①からいきましょう。
小学校の授業でやる理科のことだと思って、
⑴「理科をちゃんとやった」
こういう風に受け取った人もいると思います。

それから、
⑵「リカちゃんとやった」
「リカちゃん」というお友達と何かをやった

自分の名前がリカだとして、
⑶「リカ(私)、ちゃんとやった」

もしくはお母さんが
⑷「リカ、ちゃんとやった?」

1つの文章なのにこれだけ捉え方が変わってしまうんですね。
②も同じです。
⑴「ここで履物を脱いでください」
だと思いましたか?

それとも
⑵「ここでは着物を脱いでください」
だと思いましたか?

③です。
⑴「いい肉買った?」か

⑵「言いにくかった」か

どっちでしょうね?
④最後、
⑴「渡しておいてください」なのか

⑵「私と居てください」なのか?

【ひらがな】がただ書いてあるだけだと、
何がなんだかわからなくなってしまいますね。
これこそが、スラーの意味なのです。
3,『スラー』と『スラー』の間で息をしよう
どこでこの曲のフレーズが切れるか?
実際にどうなるのか、次の楽譜をごらんください。
『メトードローズ』というバイエルみたいな本です。
この教材の最初のドミソ、
ここはスラーです。

またドミソ、またヒューッって次のファミレミファミレミ、
この括弧のまとまりがスラーです。

要するに、このスラーのドミソとドミソがニコニコさんなので
この2つのスラーの間に息をする、ということなのです!

同じように、2つめのドミソと、次のファミレミファミレミが、
それぞれスラーなので、その間に息をします。
4,『スラー』でよくある失敗
では実際に弾く時に気をつけたいところ、
よくやりがちなところをやってみましょう。
(スラーが終わるごとにブツブツと切れる音)
要するに最後『蹴っ飛ばしちゃう』とか、 よく『ブツって切る』という言い方をします。
例えば、音が左からから走ってくるとします。

このように、ドミソでブツッ、
ドミソでブツッ、
ファミレミファミレミでブツッと、
息つぎのところで切ってしまう人がいるのです。
下手すると、ファミレミファミレミで⤴上げてしまうということもあります。
やっぱり音楽なので、
カクッと消えるより、ふわっと消えて、
またふわっと入るみたいな…


こういう弾き方をすると綺麗です。
このように弾こうとすると、コントロールをキープするのが結構難しいです。
私のイメージでは、
ドミソの「ソ」は「ミ」よりも小さく、
「ミ」が10割だとしたら
「ソ」は7割~8割ぐらいの感じで弾くと
結構きれいだと思います。
この、ふーっと消える感じが掴めると、いろいろなところで使えます。
例えばここの
ファミレファミレドミ
はすごくいい練習なのでやってみましょう。

まずはスラーを守って楽譜通り弾いてみましょう。(音)
ところが、皆さんがよくやってくれちゃうところなのですが…
スラーを守らず、ファミレファミレドミと、
小節の切れ目のところで切りたくなってしまう方が多いのです。

これだと確かに弾きやすいのですが、
この曲とさっきの曲とでは、変わってしまいます。

もう1回弾いてみます。
こっちの、スラーを守らない方を例えばAとすると、
Aは、ファミレファミレドミの、小節の切れ目のところで切ってしまっています。

次に楽譜を入れ替えて、楽譜通りの方をBだとしますね。

これが『スラーの弾き方』です。
要するに、ニコニコさんの間を切る、ということです。
3,『タイ』は同じ音を伸ばす
「カントリーロード」の楽譜です。
タラランターン♪
やさしいので、8分音符しか使っていません。
例えば
ファソラ~~~2.3.4から次の1.2まで、
『タイ』というのは、同じ 「ラ」と「ラ」の音を下かっこでつないでいます。

それに対し『スラー』というのは、見た目は一緒ですが
全然違う場所にある音符どうしを、上かっこでつなぐものです。

『タイ』は、絶対同じ音でなければなりません。

「ラ」だったら「ラ」
「ソ」だったら「ソ」 同士だけをつなぎます。
ファソラ~~2.3.4.、1.2
ラソファ~ソ~2.3.4、1.2
もしここに『ラ』と『ラ』をつなぐ『タイ』がないと
ファソラー~2.3.4 ~~
と
~~1.2
を分けて弾くことになってしまいますね。
実際には『タイ』があるので、『ラ』の音が2つあっても2つ目は弾き直さず、 伸ばすという意味になります。

ファソラ~1.2.3.4、1.2
ラソファ~ソ~1.2.3.4、1.2
ラソファ~~1.2.3.4、1.2
ラドレ~~~1.2.3.4、1.2
のように、『タイ』は音を伸ばしてつなげる弾き方をします。
『スラー』というのは、さっきご紹介した通り
ニコニコマークみたいな、上かっこのような記号です。
この上かっこを、私の教室では、小さい小学生の生徒さんに対しては
『ニコニコちゃん』という名前で呼んでいます。
『スラー』の上かっこの形が、なんか眉毛みたいじゃないですか?
このニコニコちゃんの間、眉毛と眉毛の間は息をするということです。

息すると言っても、
本当にハーって呼吸をするわけではなくて、
曲のフレーズとして、
ふわぁ~~~っと小さく空間を空けて、その後を続けます。

2回ほど前に、『ピアノ曲フレーズのしっぽは」やさ~しく弾く』という動画を出しています。
そちらの動画を参考にしていただくと、スラーの処理の仕方がお分かりになるかと思います。
お役に立つと思いますので、そちらも是非、参考になさってみてください。
5,スラーの弾き方・受講生レッスン(前後比較動画)
最後に
いかがでしたでしょうか?
スラーの使い方、なんでスラーがあるのか?
ご理解いただけましたでしょうか。
もし今日の動画がいいなと思っていただけたら
いいねボタンをよろしくお願いします。
また、みんなのピアノでは、このように皆様の、
ちょっとわからないなっていうことや
どうしたらいいの?ということにお答えする動画をこれからも作っていきたいと思います。
ご質問などがありましたら、
メールかLINEか、コメント欄でお知らせください。
お返事できるものに関しては、動画でお返事していきたいと思います。
最後までありがとうございました。
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