目次
バイエルは古い?今の演奏方法に適していないって本当???
ピアノの「弾き方は進化している」というお話をしたいと思います。
私が昔、最初に鍵盤の弾き方を習ったときには「ドレミファソの弾き方」は指を高く上げて上から叩くように指を落とす」ということを徹底的に言われた記憶があります(これをハイフィンガー奏法と言います)。
指を丸く、指は高く上げる、手は卵が中に入っているから潰さないようにetc… 実は日本ではまだまだこの指導を続けていらっしゃる先生も大勢いらっしゃるようです。
ピアノ演奏方法の進化ってどういうこと???
演奏方法の進化?何それ?と思われる方も多いでしょうが、実はピアノに限らずどの世界でも基礎とか?基本のやり方が昔はそう教わったのに今はタブーと言われているものも多いのです。
時代とともに当たり前だと思われていた常識も変わる
例えば育児。私が娘を育てた時やそれ以前の人からすれば、離乳期の子供に固形の食べ物をあげる場合は、いったん母親がその食べ物を口の中に入れて噛み砕き、それを子供の口に入れていました。それが当たり前、普通のことだったのです。
おそらく今の子育てをしている人からすれば、「え?なにそレ?信じられない!汚いじゃない??」と言われてしまいそうですが、それって事実なんです。
また、私は記憶に乏しいけれど(まだ小さい頃の記憶なので)、電車の中のトイレもそうです。昔は電車のトイレに入ると便器の下に走っている線路が見えたのです。だから走っていない時には使用禁止。
つまり、走っている時に使用してその排出されたものが拡散されるという仕組み。これも今考えるとすごいことですね。書いてていて、私自身、すごい時代だったなぁ・・・と思います(笑)
ピアノも演奏方法もヨーロッパから輸入された。
ピアノの打鍵も同じようです。一時期、とても気になって調べたことがありました。
ざっくり言うと、日本にピアノが伝わってきたのは明治時代で、ヨーロッパからピアノとハイフィンガー奏法が一緒に輸入されてきました。
その時に伝えられたのがドイツ、オーストリア系統のピアノ奏法です。(なので、ドイツ→バイエルとなるみたいですね)
それが何の疑いもなく取り入れられ、それが広まり、現代に至っているみたいです。その中心人物となったのが東京音大の井口愛子先生(その世界ではかなり有名な方)でした。
ヨーロッパでは、ショパンさんとかリストさんとか、カバレフスキーさんとかその他にもたくさんのピアノの世界があり、ピアノ奏法にも別のルートでの指導方法が存在していたのです。
ところが、音楽業界にとっては悲劇なことに、残念ながら日本は戦争期に入り他からの指導法というのが途絶えてしまったようです。
そんなこともあり、今、よく聞かれれる「脱力奏法」とか「ローリング奏法」とか? は日本ではあまり知られていません。
特に入門期(子供が最初にピアノを習う時期)のピアノ教室の中では日本では定着していないといというのが実態のようです。(あくまでも私の体感則です)
ハイフィンガー奏法ってなに・・・???
私もハイフィンガー奏法を学んできた人間のひとりなので否定はしません。
それにハイフィンガー奏法で上手なピアニストさんもたくさんいます。ですから、人によるのかもしれません。
ただ、私の場合だけでいえば、「ある一定のレベルになった時に頭打ちを感じた」というのは事実です。
大人になってからピアノを始めたので、基礎ができてないと言われてしまえばそれまでですが、それでも、バイエル→ブルグミュラー→ソナチネ→ツェルニ30番、バッハのインベンション→ツェルニー40番、そしてもちろんハノン、ぜ〜んぶやってきました。
私の習い方のどこかに欠けがあったのかもしれないし、指導してくださる先生の方に何かあったのかもしれないし、原因はよくわかりませんが、「ショパンのエチュード以上の曲が気持ちよく弾けない!」と自分自身が感じていたのは事実です。
演奏方法を変えたら音色が変わった!
その頃から、演奏方法などがとても気になるようになり、自分で勉強してその勉強してきた結果を生徒さんたちにフィードバックするようになってから、生徒さんの演奏力がものすごくアップしてきたのも事実です。
私自身も少しずつですが気持ちよく演奏ができるようになってもきました。それは40番をやることではなく自分自身の身体の使い方とか、指の使い方とか、原理とかを追求してみたというだけなのです。
私の場合は、そんなにマメに生徒さんをピティナ(全日本ピアノ指導者連盟)主催の「ピアノステップ(ピアノ検定)」に出してはいないのですが、それでも生徒さんの演奏評価が「S、A,B,C,D」の成績のうち、Sか?Aを取るようになってきたのも事実です。
次回の記事以降で、実際の演奏方法などについても触れていこうと思います。
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幸せピアノ、メールマガジンやっています。
「幸せピアノ」メールマガジン始めました。美しい音、幸せマインドetc….
こんな記事もお役に立つかも???
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あなたがピアノでいつも幸せでいられるために、いつも応援しています。
今日も訪れていただき、ありがとうございます。
いくつかの有名質問サイトを見ていて、チェルニーやハノンを練習しないといけないのかな?と思っていました。
しかし、このサイトでは練習したという事実ではなくて、練習の目的を持つことが大切だと仰っていらして、とても納得致しました!
ぷにょ。様
コメントありがとうございます。
お役に立てたのなら良かったです。ピアノ、応援していますね。(^^)
初めまして。とても共感する部分があったのでコメントさせていただきます。
> 弾き方は進化している
> 時代とともに当たり前だと思われていた常識も変わる
これら、本当におっしゃる通りだと思います。昔流行った弾き方にずーっと囚われている人、未だに多くいるように感じます。今はもっと効率の良い弾き方が(さまざまな研究などで)解明されてきているというのに、とても悲しいことですよね。。。
たとえば、「脱力」(= 無駄な力を抜くこと)なんかが良い例でしょう。今までは、ピアノを弾く際、「「脱力」は大事だ!」「とにかく肩・腕・指などの身体の力を抜け!」と当たり前のように言われてきましたが…
現在では、そんな常識が変わってきています。
とある研究によると、今までに以下のようなことがわかっているようです。
– 打鍵時は、指先を同時収縮させている
→ ”鍵盤から指先に加わる力に抗するため”
引用元1: http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/06/18_10938.html
– 演奏内容によっては、肩の力を利用する
→ “鍵盤に加える力は同じでも、指を使うより肩を使った方が、筋肉にかかる負担は少ない”ため
引用元2: http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/08/30_11261.html
– 大音量を奏でるときは、プロでも二の腕の力を利用する
→ “実際、fffで打鍵してもらうと、ピアニストであろうと二の腕の筋肉は初めからフルに収縮していました。”
引用元3: http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/10/29_11609.html
他にも事例はたくさんありますが、こういう研究結果を見ると、「力を入れてピアノを弾くのは無駄」という考えは、もう時代遅れなんじゃないか、と思わせます。実際、この研究者はこれらのことを… ”必要最小限のエネルギーを使って、最大限の音楽・音響効果を創り出すための技能” …と言っています。
引用元4: http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/09/28_11411.html
つまり、大事なのは「脱力」(= 無駄な力を抜くこと)ではなく、【(必要最低限の)必要な力を生み出すこと】なのでは、と思います。例えば、スポーツなんかはもう、「スポーツ科学」という言葉が定着しており、「力を抜け!」ではないもっと具体的かつ適切なアドバイスをされていますよね。当然ですが、単に力を抜いても、動作速度が上がることはないですから。
例(バッドのスイング): https://yakyuuswing.com/
まとめです。
この記事で書かれている通り、ピアノの弾き方は進化を続けており、時代とともに当たり前だと思われていた常識も変わっていくわけですから……そろそろ、今まで当たり前と言われていた「脱力」(= 無駄な力を抜くこと)という表現は卒業して、他の研究者と同じように【(必要最低限の)必要な力を探すこと】に注力すべきでは、と考えていますが…いかがでしょうか。
リトピ 様
初めまして。(実は初めましてではありません。検索でリトピさんのサイトにヒットした経験があります)
リトピさんが仰ること、その通りだと思います。
小さいボートは反対側に向かって進もうと思った時に、すぐに方向性を変えて反対側に向かってボートを進めることが可能ですが、
大きな船は同じ状態になった場合に、向きを変えるのにはとても時間がかかります。
ピアノの学習(教育)業界も全く同じですし、もっと言っちゃえば「社会構造」がそうだという事実もあるので、そういう時代が訪れるまではかなり時間がかかるのでは?と思っています。
とはいえ、小さな波も集まれば大きな波になります。
ちょっとずつちょっとずつ、同じ想いを持つ人たちがつながっていけば、それは加速化するかもしれませんね。
リトピさんのサイトもとても興味深く拝読させていただいておりました(^^)
・・・・・
あと、30 日のメールマガジンでは、脱力とスポーツ、そしてピアノの関係について書いた内容がたくさんあります。
よろしければご登録いただいて、感想なども聞かせていただけると嬉しいです。
コメントありがとうございましたm(_ _)m
ありがとうございます。
Minna様、
ご返信ありがとうございます。
小さいボートと大きな船の例え、とてもわかりやすいです。確かにその通りだと思います。急な変化を起こすと、大きな船に乗っている人たちに大きな負担がかかりますよね。そういう時代が来ることを夢見て、地道に小さな波を起こす活動を続けたいと思います。
また、私のブログの閲覧もありがとうございます。私は、指導経験もないただのアマチュアピアノ弾きなので、実力はないですが、ブログを通じて、皆様の演奏技術向上のきっかけ作りができれば、と思っております。かなり不定期ですが、これからも面白い記事を書いていく予定なので、もしよろしければ、今後ともよろしくお願いいたします。
リトピ 様
こちらこそ、再びの投稿ありがとうございます。
>指導経験もないただのアマチュアピアノ弾きなので、実力はないですが、
そんなものは全然関係ない・・・というのが私個人の考え方です(考え方は人ぞれぞれです)
私の場合は、大切なのは「事実を観察するスキル」と「それを人に伝えるスキル」だと思っているのです(^^)
うちのスタッフのSayaka さんもピアノは初心者ですが、身体のプロフェッショナルです(笑)
こちらこそ、よろしくお願い致しますm(_ _)m
Minna様、
返信ありがとうございます。
> 大切なのは「事実を観察するスキル」と「それを人に伝えるスキル」だ
なるほど。これは良い考え方ですね。
私は、前者については、学生(工学部)の時にイヤというほど磨いたので、そっちは自身がありますが……後者、つまり人に教えるというのは、むかーし、塾のバイトでちょこっとやったくらいなので、まだまだという感じです(よく、いろんな人から「説明がわかりにくい!」と言われます…)。
これから、そのスキルも磨いていきたいと思います。
> 身体のプロフェッショナル
これ、とても大事だと思っています。私は、Sayaka様とは逆に、ピアノから始めて、後から身体関連について勉強しましたが…身体のことを知っているのと知らないのでは天と地ほどの差があって、ただ知っているだけでピアノの弾きやすさ(= 身体の動かしやすさ)が良い方向に変わる、と実感しております。
また、メルマガも登録させていただき、拝読させていただいておりますが、とても素晴らしいと思います。特に、着眼点が非常に良いと感じました。ここでメルマガの内容に触れるとアレだと思いますので、ここでは簡素な感想を述べさせていただきました。今後の配信も楽しみにしております(現時点では、まだ4通目です)。
> 追伸
はい、自分自身に対する評価です。私は、単なる趣味のピアノ弾きなので……
でも、お褒めのお言葉、誠にありがとうございます。私自身が「正しい練習をしていけば、趣味・独学の人たちでも少なくともここまでの演奏は可能だ」という生き証人(?)になれれば、と思いながら、日々練習・ブログ更新(こちらは超不定期)を行っております。
リトピ 様
> 伝えるスキル
なんでもそうですが回数です。ブログやサイトは一方通行なので2wayの方法を選んで取り組むと良いかな?と思います^^
スタッフのマリサさんも今、それに挑戦中です。✨
>メルマガの内容に触れるとアレだと思いましたので・・
いえいえ全然構いません。隠していることはありませんし、情報に門外不出はないですし、考え方も広まって欲しいなぁ・・と思っています(^^)
>「正しい練習をしていけば、・・・・
「正しい」って何でしょうね? リトピさんから見たら「正しいこと」でも他の人からすれば「じゃない場合」もあるかもしれません。(つぶやきです。ちょっと気になったので・・・)
追伸:
>実力はないですが、、、、
これがリトピさんのご自身に対する評価でしょうか?
ピアノ経験ゼロの人から見たら、すごい実力だと思うのですが・・・???
(すみません。ちょっと気になったので)
Minna 様、
すみません、なぜか「返信する」ボタンが消えているので、こちらで上記の返信いたします。
> なんでもそうですが回数です。
> ブログやサイトは一方通行
確かにそうですね。2 wayの方法も模索してみます。コメントありがとうございます。
> 「正しい」って何でしょうね?
> リトピさんから見たら「正しいこと」でも他の人からすれば「じゃない場合」もあるかもしれません。
おっしゃる通りだと思います。ある食べ物を食べて、私が「おいしい」と感じても、他の人からすれば「まずい」ということは十分ありますもんね。
でも…ここで私が言っている「正しい」というのは、【地球上に住んでいる(大半の)人間にとって】「正しい」という意味です。「我々は各腕に指が5本ずつある(つまり、手・腕の中の筋肉、骨格は○○という構造になっている)」「重力は一定の大きさで下向きにかかっている」というのは、私だけでなく、Minna様にとっても「正しい」こと…ですよね? (骨格等については、ケガや先天性、特異体質で我々と違う人もいます…が、そういう人はここでは対象にしていない)
この【地球上に住んでいる(大半の)人間にとって】「正しい」事柄をピアノに適応すると、何が考えられるのか? という問いに対する一つの解が、私のブログで主張していることです(つまり、私の主張自体は、他の人にとっては「じゃない場合」…かもしれませんが、その主張の【根拠】は誰にとっても「正しい」(と思われる)事柄を用いている)。
すみません、長くなりましたが、まとめると…ここで言っている「正しい練習」というのは、【地球上に住んでいる(大半の)人間にとって】「正しい」事柄を【根拠】とした練習、ということです。つまり、「別に私の言っていることを信じる必要はない。その代わり、何が(自分にとって)正しいか? は、自分でちゃんと【根拠】を見つけて判断してね!」と、私も考えています(Minna様も同じような思想を持っている、と他の記事から感じ取りました)。
リトピ 様
いつもありがとうございます。
なるほど・・・なんとなくですが理解いたしました。
>Minna様にとっても「正しい」こと…ですよね?
残念ながらリトピさんが書いてくださった内容は私の捉え方では「正しいこと」という認識がありません。
でも、これは「今の私の場合」の「捉え方」であって「過去の私」の「捉え方」ではありません。
「今の私」の中には「正しい」という単語が存在しません。
例えば、「重力により物質は下方へ落下する」という内容は、「私の日常では当たり前に起こること」ではありけれど、「正しいこと」という捉え方ではなく、「今の私の生活においてはよく起こること」という認識です。
今、ここで「リトピさん」に「伝わる」文章が書けるか?自信はないのですが、「正しい」が存在すると、その反対側の「正しくない」「間違っている」が存在することになってしまいます。
リトピさんの描かれた「正しい」という単語に対して、同意はしますが私はその単語は使いたくないと思うのが「今の私」です。
強いていうならば、「ふさわしい」「適した」「状況的に合う」。私なら「そんな言葉」を使うかもしれません。
(何言っているのか?わからなかったらごめんなさい。この言葉はこの人なら伝わるだろう?という想定ができないので、ちょっと難しいです(汗))
「別に私の言っていることを信じる必要はない。
その代わり、何が(「あなた」にとって)ふさわしいのか? 適しているのか?は、
あなたが自分でちゃんと【根拠】を見つけて判断してね!」
⬆︎こんな感じですね。(ちょっと手を入れました。悪気はないのでお許しくださいね)
Minna 様、
再度返信ありがとうございます。
おっしゃられていること、全て理解できます。Minna様のおかげで、私の主張がわかりにくい(もとい、受け入れがたい?)理由の一つがわかったような気がします。ありがとうございます。
恐らくですが…もしかしたら、私とMinna様は、単に「同じこと」を「別の言葉」で言っているだけかもしれません。実は、この「正しい」も【今現時点において】「正しい」という意味が込められています(つまり、「今の私」が言っていることは、未来永劫も「正しい」…とは限らない、ということ)。そのため、Minna様のおっしゃられたいことは、私にちゃんと伝わっていると思います。
しかし、この「正しい」という言葉には、大きな誤解を生む危険性があるのかもしれませんね。それに気付かせてくれたMinna様に感謝です。
また共感する内容の記事を見かけたら、コメントを残させていただければと思います。お忙しい中、ここまでやり取りを続けてくださってありがとうございます。もしよろしければ、今後もよろしくお願いいたします。
リトピ 様
コメントありがとうございます。
>もしかしたら、私とMinna様は、単に「同じこと」を「別の言葉」で言っている・・・
はい、そうだと思います(^^) 私は完璧に文系の視点から、リトピさんは理系の視点から同じ物事を捉えている印象があります。
私がリトピさんに対して、「こう伝わって欲しいなぁ・・」と思ったような感じでリトピさんに伝わったようで嬉しいです。(そのつもりだったのですが、相手にそう受け取ってもらえるかどうかは相手の側の範疇なので・・・)
もちろん、また何かありましたらご連絡くださいませ。
いつでもお待ちしています✨