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ピアノと心の精神年齢は関係ある???
からだと心のピアノ研究家・Minna です。
今回は、ピアノと心のマインドフルネスついてのお話をしていこうと思います。
このピアノと心の満足感というテーマは、このサイトをスタートさせた時点から何度もサイト記事の中でもお伝えしています。
最近、セミナー修了生の方々で希望される方を対象に「ピアノのマインドセット」のグループを作り、
ピアノ演奏と心の関係の勉強会も行っています。
そのグループでの会話でも強く感じるのですが、やはり心の成長とピアノ演奏には強い繋がりがるのだということを、とても感じます。
以下の記事は、メルマガをスタートさせた当時に書いた記事なのですが、その記事に今の気持ちも加えて、
ピアノ演奏と心についてお話しさせていただきたいと思います。
よろしくおねがいいたします。
<「ピアノで幸せ」の3つの要素>
- ピアノの「心の成熟度」(精神年齢の高さ)
- ピアノの「演奏技術」(思ったとおりの音が出せる)
- ピアノの「第3者的理解」(音がわかる)
私は「ピアノ演奏で満足できる、幸せを感じられる3つの要素」は上記の要素のバランスがしっかり取れていることだと思っています。
このテーマに関連して、かつて、私のピアノ教室にいらっしゃった年配の男性の生徒さんのお話を例に、
・形だけを捉えるピアノの演奏と、
・ちゃんと心が伴っているピアノ演奏
についてというお話をしていきたいと思います。
形を追い求めていても、ピアノは楽しくならない?
ピアノ演奏を大きな枠で捉えると、2つの大きな方向性に分かれると私は思っています。
そのひとつは、曲の形を仕上げるという方向性(できるだけミスなく、楽譜通りに)。もうひとつは、曲を掘り下げていくという方向性です。 図にするとこんな感じ↓↓↓。
→ → → 曲の形を作っていく → → → →
↓ Aさんの演奏
掘 Cさんの演奏
り
下 Bさんの演奏
げ
る Dさんの演奏
↓ Eさんの演奏
↓
上の図のイメージって伝わりますでしょうか?
例えば、Aさんは形を仕上げるのもあまり上手ではないし、曲を掘り下げるのもあまり・・・というイメージです。その真逆を行くのがEさんで、曲の完成度も高く、曲を掘り下げるのもとても深いという意味です。
曲を掘り下げるってどういうこと???
曲の形を作るというのは、なんとなくでもイメージができると思うのですが、極端に言ってしまえば、「楽譜通りに音がなっている」と言っても良いでしょう。でも、だったら人間が演奏する必要がなくなってしまいますよね?
そこで、今度は「曲を掘り下げる」という作業が必要になってきます。「曲を掘り下げる」というと表現が難しいのですが、音を丸くしたり、音を尖らせたり、音を解けるように消えさせたりetc… これはその人独自のテクニックということになってきます。
「音」のことを説明しようとしているので、言葉で説明するのがとても難しいのですが、例えば、「絵画」で表現すれば、リンゴを描いた時に、「赤い丸を描いてその丸の部分の上にリンゴの枝をつけただけ」の絵があったとしたら、この絵こそ、形だけの絵ということになるでしょう。
そして、掘り下げるというのは、「そのリンゴを赤という色一色で塗りつぶすのではなく、影があるところはちょっと光を入れてみたり、光の影をつけてみたり、リンゴの肌の質感を出すために汚れを足したりetc… 」この作業をすることが「掘り下げる」という意味です。
なんとなくでもご理解いただけたでしょうか???
心が成熟している人でも、ピアノの曲の作り方を理解するには時間がかかる?
以前、私の教室に60代後半の男性の生徒さんがいらっしゃいました。
仮にその方をAさんとすると、Aさんはお孫さんもいらっしゃって、ご自宅でお茶の先生をされていらっしゃると聞いています。
実は私自身も飛び石ではあるのですが、30年以上前から茶道もやっているのでいわゆるお茶の心というものを長く勉強しています。
茶道を学んだことがある方であればご存知だと思いますが、茶道は、日本伝統文化の代表的なものでもあるのですが、実は「仏教」や「禅」ともとても深い繋がりを持っています。
私の場合は裏千家茶道門下になるのですが、裏千家のお家元は、お家元になるために京都の大徳寺で禅の修行をしなけばならないという決まりもあり、そういう意味でも、お茶を学ぶ人はその哲学として禅も学ぶという場合も多いです(先生にもよるのでしょうが)
曲をやり続けても楽しくならない理由は何???
Aさんはピアノ経験が全くゼロの方です。
私は、その人(その生徒さん)に合わせて進め方や教材を選ぶ場合が多いのですが、Aさんがお茶の先生をされているということもあったので、上っ面のレッスンではなく、ちゃんと基礎を摘むようなレッスンをする方を好むだろうと思い、そのようにレッスンしてきました。つまり、精神年齢が高いであろう・・・と推測したのです。
「はりぼてスタイル」で曲を作っていくと???
もうちょっと具体的にお話していきますね。
私のレッスンのやり方なのですが、精神年齢がさほど高くない方の場合(子供や大人初心者の方の多く)、形から、つまり「曲」からレッスンをスタートさせる場合が多いです。
この場合は、基礎はあまりうるさく言わないで、形をまず作ってしまいます。つまり、「曲をたくさんやってもらう。」というやり方です。スポーツ関係の部活動で言えば、練習試合をたくさんやってもらって基礎トレーニングはあまりやらないというイメージでしょうか?
このやり方の場合は、その人が弾ける曲は増えるけれども「曲を深く掘り下げる」ということが手薄になってしまいます。別の言い方をすると、「はりぼて(簡易的に作った)スタイル」の曲をたくさん作っていくイメージになってしまうのです。
ハリボテは、一見すると何かの形に見えますが、近づいてみるとボロがたくさん見えてしまったり、中身がないのですぐに倒れたり、ちょっとした刺激ですぐに壊れてしまったりします。
しっかり基礎を積み上げていくと遠回りのようで実は近道。
もうひとつのやり方として、基礎をたくさん積み上げていった場合でも、同じように曲が仕上がっていきます。
実を言うと、基礎を数多くこなしていって、その基礎を確実にしていくとその基礎はどんな曲にも応用できるので、どんな曲でも弾きこなせるようになっていきます。
これが「基礎」が大事だと言われる理由です。
これを音符の読み方に置き換えると、
(1)「ソ」の音のことを、<ここが「ソ」の場所だからね>と、「ソ」の音の場所しか教えない
(2) 最初からドレミファソラシドの音の数え方を全部教え、「ソ」はこれだと教える。
(1)と(2)を比べた場合、(2)の方が教える手間はかかりますが、
生徒さん時自身のことを思えば、(1)よりも(2)の方が応用がきくし、後で役に立つと言うのことは、大人であれば誰でも理解できると思います。
ところが、目先で物を見てしまう人の場合、難しいものに取り組むのがめんどくさくなってしまうので、生徒さんの目線だと1に飛びつく場合が多いのです。
ですから、子供や、大人初心者場合でもこの人はまだ無理だな・・・と判断すると、私は1のやり方を選んで教えると言う場合もあります。
Aさんがピアノの楽しさに気づけなかった本当の理由
Aさんの場合は、年齢が60代後半の男性だったことや、お茶の先生をされている(物を教えらいらっしゃる)と言うこともあり、曲だけをやるのではなく、2のやり方、つまり基礎も同時に学ぶというスタイルでのレッスンで進めようとしました。
ところが、曲はどんどんやってくるのに基礎は全く練習してこない。でも、基礎をやらないので、形だけはできている曲ばかりが増え、でもその曲はあまり上手になっていかないという状態になり、本人(Aさん自身も)ジレンマが出てきてしまいました。
私は、Aさんの場合は、形だけをドンドンやって言っても面白くないだろうと判断したのですが、逆に「曲だけをドンドンやるスタイルに変えますか?」と数週間前からAさんに打診するようになってきました。
というのは、どうも、基礎をじっくりやるのが嫌?なような気がしたのです。
ところが、最近のレッスンで「やっと先生がこれまで言って来られた言葉の意味がわかりました」とAさんから言われました。
「基礎やテクニックをちゃんとやっていると、それが土台になるから、曲がいつの間にか上手にできるようになっちゃんですね?」「最近、やっとその言葉の意味が分かってきて、テクニックの練習をするのがとても楽しくなってきたんです」といってくださるようになってきました。
このAさんの話もそうなのですが、土台が変われば、その人の曲は全部変わってきます。
何を演奏してもとても上手になっていくのです。
今はわからなくても、将来的に絶対にわかるようになる時期がきっときます。
もしかしたら、「今回のこのお話の意味が全く理解できない」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、今はわからなくても、将来的にわかる時期がきっとくると私は思っています。
またその逆で、「ウンウン、わかるわかる」という方もいらっしゃると思います。
もし、「この文章の意味がなんかわからない」という方がいらっしゃったら、今回のAさんのように年齢も高く、おそらく人間としての精神年齢が高い人(?)ですら、私が伝え続けて3ヶ月かけてやっと理解してくれた内容です。
ですから、「なるほど、そういう意味か・・」と理解できるまでに、もうちょっと時間がかかるかもしれません。
でも、もし、心のどこかにちょっとでも引っかかる何かを感じられたのなら、きっと将来的には何かをキッカケに絶対にわかるようになると思います。
あなたが、ピアノで幸せでいられるのをいつも応援しています。
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4分の4拍子,3拍子,2拍子、8分の3拍子,6拍子。ピアノと拍の関係。
なるほど!
基礎を鍛えると言うのは、
遠回りをしているようで、
実は近道なのですね!
なるほどなぁ~!
今回も良いことを、深いことを教えて頂きました。
ありがとうございます!
keiichi さん
基礎って、基礎のもっと奥の方、土壌なんだ・・・と最近はつくづく痛感しています。
良い土壌がなければ、良い木や植物や良い実はなりませんね?^^
いつもありがとうございます。