身体アプローチのピアノ演奏・みんなのピアノ Minna です。
今回のテーマは「肩回しで指が届く」。こんなテーマでお送りします。
同じ内容を動画でも紹介していますので、動画の方を見ていただくとより理解が深まると思います。
最後までよろしくお願い致します。
目次
肩の状態を治すと指が動く
ピアノ演奏の世界では、まだまだピアノと身体の関係を結びつけた教育というのがまだ知れ渡っていないのですが、実は、肩の状態を少し良くするだけで
1.今まで届かなかった指が届くようになったり、
2, 音の粒が揃わなかった演奏の粒が揃うようになったり、
3,今までよりも演奏がスムーズに行くようになったり
ということがあります。
まず、お子さんの場合ですが、幼い頃は動きが決して悪くなかったのに小学校高学年や中学生になった場合など、急に音の粒が揃わなくなったりという場合があります。
これは、それまで勉強する時間が短かったものが、勉強の時間も増えて肩を前に丸める時間が増えてしまうからです。
また大人の方の場合は、普段から仕事などで肩が前に巻いてしまう、いわゆる「肩の内旋」という状態になっている方が多いので、この「内旋」という状態が腕の動きを悪くしてしまうのです。
今回は、生徒さんの演奏の違いもご覧いただきながら、肩の状態と演奏の関係、そして肩の状態を改善するエクササイズについてもご紹介していこうと思います。
この「肩の内旋」の状態を改善することで、ピアノ演奏が改善されますのでぜひこの記事を最後まで読んでいただいて参考になさっていただければと思います。
肩の内旋・外旋って???
それでは肩の内旋、外旋の状態についてお話していきます。
写真のように 腕を肩から真下に下ろし、手のひらを前、手のひらを後ろと動かします。
その時に
外旋=「手のひら前」の状態
内旋=「手のひら後ろ」の状態
(写真を参照してください)
となります。
この場合、腕の横に縦に走っているセーターの線(折り目)に注目していただきたいのですが、
手のひら後ろ(内旋)にした場合、セーターの線が前の方に出てきてしまいます。
逆に手のひら前(外旋)にした場合は、セーターの線が後ろの方に行ってしまいます。
肩の内側が全く動かない
手のひら前、手のひら後ろの動きをした場合、実は肩の部分というのは、肩の内側の骨が動くというのが正常な状態です。
ところが、この肩の内側が固まってしまって全く動かないという方もいらっしゃいます。
どういうことかを実際に体感していただくために、以下のような動作をやってみてください。
右側の肩の状態を確認するためには、左手で肩を鷲掴みにします。
この場合、1の指を肩の前側、2,3,4の指を肩の後ろ側(背中側)に置き、鷲掴みの状態でしっかりと掴みます。
その状態をキープしたまま左手で肩を押さえ、右手だけをバイバイするように「手のひらを前」「手のひらを後ろ」と動かしてみます。
肩というのは、車のギアのようになっていて、肩の骨の中に腕とジョイントする骨がソケットのようにはまっているので、正常な状態ですと肩の中の骨は回るのです。
ところがあまりにもこの骨を使わない場合、この部分が固まってしまって「内旋」の状態で骨が全く動かなくなってきてしまいます。
そして「内旋」の状態がその人の通常の肩の状態となってしまうのです。
この肩の中は、少しずつでも良いので動かしていけば動くようになってきますので、その分、可動域も広がってきます。
本当の腕のつき方は???
腕のつき方についてご存知ない方も多くいらっしゃいます。
腕というのは、肩から肘までが外旋、肘から手首までが内旋というのが正常な状態です。
ところが現代人の場合、肩から肘、手首までを1つの骨と考えてしまう方も多く、肩から全部が内旋という動きをしてしまっているのです。
この内戦の状態は、ピアノ演奏にも大きな影響を与えてしまいます。
以下に、可動域についての実験をご紹介していきます。
内旋の状態だと動きが狭くなる!
では内戦の状態だと動きが狭いということをご理解いただくための実験をご紹介します。
この文章を読むだけでなく、ご自身の身体でその事実をご確認くださいね。
内旋の状態で動く範囲を確認
肩を内戦の状態にしたまま(左手で肩を前に倒した状態)で前へならえをします。
この時、指は12 時の場所を指しています。
このまま肘を中心に、前腕(肘から指)を時計の針に見立てて、針を3時の方向に回してみます。
どんなに動く人でも3時の位置まで動かすのがせいぜいだと思います。
外旋の状態で動く範囲を確認
内旋の時の可動域を確認するのと同様に、今度は左手で肩を外旋の状態にします。
つまり左手で肩を手前から後ろに押さえます。その状態で「前へならえ」をします。
この時、指は12 時の場所を指しています。
このまま肘を中心に、前腕(肘から指)を時計の針に見立てて、針を3時の方向に回してみます。
同じ動作なのに 今度は不思議なことに針が5時ぐらいまで動くはずです。
これが 内旋と外旋の可動域の差となります。
この実験でご理解いただけると思いますが
腕を正しい状態で使えているかどうかで 腕と指の動きが変わり、パフォーマンスに大きな差が出てくるのです。
やってみよう、肩まわしエクササイズ
【準備するもの】
ストレッチポール
ない場合は、棒に毛布やタオルを巻きつけてもOK。
【やり方】
1,ストレッチポールを背中につけ、ポールを横にした状態で腋の下に挟みます。(写真参照)
2,ストレッチポールを肘の部分に挟み込みます。
3, 2の状態をキープしたまま、肩だけをグルグルと後ろ回しに回していきます。
4, 最初は全く動かない人もいると思います。
5, 痛みが出た場合は、やるのをやめましょう。
6,痛気持ち良いくらいの状態で続けると良いです。
7,1回のエクササイズに対して10回くらいを目処に、週2-3回やると効果的です。
エクササイズの前と エクササイズの後の演奏の変化を感じ取ってみてくださいね。
今日も応援しています。
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