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ピアノ優等生じゃなくてもピアノ伴奏はできる!
ピアノのからだと心の探求家・Minna です。
今回は、合唱でピアノ伴奏をやる生徒(人)の実力って???というお話をしていこうと思います。
ピアノ伴奏をする生徒→ピアノがすごく上手!というイメージを持つかもしれませんが、
実は、全然、上手じゃなくても伴奏をやり遂げてしまう!というパターンもあるのです。
今は上手じゃないんだけど、ピアノ伴奏できるかしら?と思っている方、もしくは指導されている方の何かしらのヒントになる話になれば幸いです。
これから私がお話する3人の生徒さんは、ピアノは決して上手じゃなかったけれども学校の合唱コンクールでピアノ伴奏をやり遂げてしまった生徒さんたちです。
実際にあったリアルなお話なので、参考になる部分があれば嬉しいです。
これからお話する3人の生徒さんは、この20年の間に起こった出来事です。
小6でバイエルを終わらず幼稚園教諭を目指したAちゃんの場合
最初にご紹介するAちゃんは、幼稚園からピアノを始めて大学1年生までピアノを習いに来ていました。
というと、ピアノでは優等生?というイメージを持ちそうですが、実は小学校の時代にバイエルが終わりませんでした。
練習してこないし、進まないし・・・
ところがそのAちゃんが、小学校6年生の卒業謝恩会で「ピアノ伴奏を引き受けて来た!」というのです。
楽譜を見たら、まぁ、かなり難しい内容の楽譜でした。
その時、私は内心・・・「んーー、かなり厳しいんじゃないかな・・」と感じたのです。
でも、引き受けて来たのは本人。
自分でやりたいと希望してやることになったのだから、万が一、失敗してもそれはAちゃん自身の問題だし、
私は(ピアノの先生として)そのAちゃんを応援するしかありません。
Aちゃんのやる気たるや?ものすごいものがあって、ほぼ毎日私のところに通いつめて、結果として卒業のイベントで合唱の伴奏を成し遂げたのです。
それ以来、Aちゃんには「ピアノ伴奏者」のイメージができたらしく?その後の中学校3年間もずっとピアノ伴奏の係をやり遂げました。
ちなみに、Aちゃんは部活にも没頭していたため、中学校3年間のピアノは「ピアノ伴奏だけ」といっても良いような内容のレッスンしかしていないのです。
Aちゃんの場合、「幼少期から幼稚園の先生になりたい!」ということもあり、高校は幼稚園の先生になりたい生徒が幼稚園実習などができる高校に進学。
その後、無事に幼稚園教諭資格を取得できる大学に進学しました。
小学校の時期までバイエルを終わらないような生徒さんでしたが、高校に入ってからはピアノの授業もあるということで、
ピアノ未経験の生徒も多かったようで、Aちゃんはピアノでは優等生扱いされたようです。
Aちゃんの心情は私にはわかりませんが、Aちゃんのことを側から見ていて感じたことは、
あの小学校の卒業イベントで伴奏を引き受けなかったら???
今のAちゃんはないのかも????という気はしています。
何が人生を変えるのか?わからないな・・・と感じた一件でした。
成績1???小学校5年生でピアノを辞めたBちゃんの場合
このBちゃんもだいぶ前の生徒さんですが、私の記憶に鮮明に残っている生徒さんのひとりです。
Bちゃんは小学校5年生でピアノをやめていましたので、私とはご縁が無くなっていました。
ところがBちゃんが中3の夏にお母さんから急に連絡が入ったのです。
その連絡というのはピアノのことではなく、Bちゃんの成績のことでした。
話は前後しますが、Bちゃんにはお姉ちゃんがいて、お姉ちゃんが受験の時期に私が英語の勉強を見てあげていたことがありました。
その記憶から、お母さんが実はBちゃんの英語の成績が1になってしまったのだけど、どうしても高校に行かせたい、なので勉強を見てもらえないか?という内容でした。
その後、Bちゃんやお母さん、そしてお姉ちゃんと話をしてわかった事がありました。
Bちゃんは中学3年間で吹奏楽部に所属して吹奏楽では立派な成績を納めていた
Bちゃんは、合唱コンクールの伴奏を買って出て、見事にやり終えていた
Bちゃんは、おしゃれに関してはものすごく努力している
上記の内容がわかりました。
この事実を知った時に、
Bちゃんは大丈夫!
とそう判断して、その内容をお母さんに伝えました。
なぜ、私がBちゃんのことを大丈夫だと思ったかというと、
「Bちゃんの実力でその合唱コンクールで演奏した伴奏をした」
というのは、「快挙」以上の内容だったのです。
私からすれば「考えられない!」ような内容でした。
ということは、Bちゃんはやる気にさえなれば「自分だけで何かを成し遂げる力を持っている」ということになります。
人にやらされるとか?
その気がないとか?
そういう場合には出来ないかもしれないけれど、
Bちゃん自身がやりたい!!と思ったことが出てきた場合には、
Bちゃんは絶対に成し遂げる!!
と、私はそう判断したのです。
本人のその気を大切にしなけれなならないと痛切に感じた一件でした。
小5からピアノをスタート、アニソンオタクのCちゃん
最後にご紹介するのはピアノをスタートしたのが小学校5年生。それでもピアノレッスンは高校卒業まで続いた生徒さん(Cちゃん)のお話です。
Cちゃんがピアノを始めたのは小学校5年生。最初の半年ほどはピアノ教本を使っていたのですが、教本を使うということに抵抗がある生徒さんで、
教本を無理やりやらせることに意味を感じなかったので、
レッスンは彼女がやりたいものばかりをやっていました。
どこでどうやって調べるのか?アニメが大好きで、アニメソングの楽譜をダウンロードして教室に持ってきるタイプの生徒さんでした。
私自身、「初音ミク」「アニソン」という単語にとても疎買ったのですが、Cちゃんのおかげで「初音ミク」が何なのか???アニメソングがどういうものなのか???を知ることが出来ました(笑)
アニメソングというのは、もともと「普通のピアノでひとりで演奏する」ということを前提に曲が作られていません、
コンピューターでの音楽ですから、人間が演奏しようとすれば超人的なテクニックが必要になるのです。
音楽に良いも悪いもないし、ピアノじゃなければ・・・みたいな部分もないので、CちゃんにはCちゃんのピアノがあると思い、Cちゃんに寄り添ったレッスンをしていました。
ただ、Cちゃんが中学生になり高校生になるに従って、「ピアノの世界はこうだよ」ということは伝えていましたし、
「そろそろ基礎やらない???」と何度も打診したのですが、その度に却下されてきました(汗・笑)。
Cちゃんの人生ですから、Cちゃんが決めれば良いわけですね。(色々な考え方があると思いますが、私はそう思うタイプの人間です)
そのCちゃんが、高校に入ってから合唱コンクールの伴奏を引き受けたということを言ってきました。
本番ではミスをしたということを聞いていますが、それでもCちゃんが決めてCちゃんが実行したことです。
この日まで必死に練習して本番に望んだことは聞いていましたので、何よりも自分で決めて自分で行動した事が素晴らしいと思うのです。
ピアノの実力とピアノ伴奏は関係ある???
最後に、ピアノの実力とピアノの伴奏ができる出来ないは関係があるか?ということでお話をさせていただきますね。
あくまでもこの話は私(Minna)の個人的な見解であり、人それぞれ色々な考え方があって、その1つだと思って読んでいただければと思います。
ピアノの実力ですが、まず、何を持って「ピアノの実力」というか?というところがあります。
例えば、ピアノ教本でレベル分けができるか?と言われれば答えは「No 」です。
ピアノ教本を全く使用しないでピアノが上手になる人もいます。
そもそも「音色が綺麗なのか?」「楽譜が読めるのか?」「楽譜通りにほぼミスなく演奏できるのか?」「その人のオリジナリティが出ているのか?」
つまり、何を持ってピアノが上手と言えるのか???
という部分はあると思っています。
ピアノ教本は上級者レベルを演奏しているけれど、音色といえば、ドラえもんのジャイアン(失礼!)のような演奏をしている人も大勢います。
そもそも伴奏というものの役割は、歌を引き立たせるものなので「逆に上手な人」だと自分の演奏を出すわけにいかないという部分もあるのです。
なので、歌っている人の邪魔にならないように、音を出せる能力を持っていれば伴奏ができると言ってしまっても良いのかもしれません。
ですから、「他の曲は弾けないけれど、その伴奏の曲だけならできる」というパターンの生徒さんがいるというのも事実としてはあるのです。
つまり、「合唱のその曲だけをたくさん練習すれば伴奏は出来てしまう」という場合もあるのです。
もう1つの捉え方として、ソロで演奏するのはとても上手なのだけれど伴奏がとても苦手という人もいます。
こういう人は自分のペースで演奏したいので、人と合わせるというのが苦手というパターンになるみたいです。
私たちは人間ですから、色々なパターンの人がいます。
みんなが同じ!ではないのです。
ですから、経験がないから伴奏できないということもないし、
逆にいえば経験が長くても伴奏できない人もいるのです。
こんなお話がお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました
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