「アップライトピアノは置けないのだけど、なるべくアップライトピアノに近い電子ピアノが欲しい」と考えておられるそこのあなた!
ヤマハのハイブリッドピアノNU1Xが本当にアップライトピアノのような打鍵感でびっくりしたので、今回はレビューしていきたいと思います。
目次
ハイブリッドピアノとは、ピアノと電子ピアノのハイブリッド
(出典YAMAHA:NU1X商品ページ)
ハイブリッドピアノとは、グランドピアノやアップライトピアノなどの普通のピアノ(ここではアコースティックピアノと呼びます)と電子ピアノの両方の特徴をもつ、ハーフのようなピアノです。
具体的にはハンマーの部分までがアコースティックピアノの機構で、ハンマー以降が電子ピアノの機構で構成されています。
って言ってもわからない人にはわからないと思うので、まずはアコースティックピアノの特徴から説明しますね。
アコースティックピアノの特徴
アコースティックピアノの仕組み(出典ピアノのハンマーアクション:私家版 楽器事典 / 楽器図鑑)
アコースティックピアノの音がなる仕組みをすごーく簡単に説明すると、
- 鍵盤を押される
- いろいろな部品を経由して、ピアノの中でハンマー動く
- ハンマーが弦を叩く
- 一本一本違う長さに調整された弦が振動する
- 弦の振動が駒を伝ってグランドピアノなら本体の下部分、アップライトピアノなら本体後ろ側で振動が増幅される
- 私たちの耳に音として入ってくる
という順番です。
ピアノごとに鍵盤の重さが微妙に違うのは、ハンマーまでの機構がピアノによってひとつひとつ微妙に違うから。
また調律が必要になるのはピアノ全体が楽器となって震えるため、ピアノの古さや保管状況、その時の室温湿度などでピアノの鳴り方が全く変わってきてしまうからです。
とにかく複雑なのですね。
電子ピアノの特徴
(出典KoKaNet:子供の科学)
対して電子ピアノの場合
- 鍵盤が押される
- 鍵盤の変化をセンサーが検知
- プリセットされた音声がセンサーからの入力に合わせて出力
- 私達の耳に入るのはスピーカーの振動
という流れで音がなっています。
アコースティックピアノと比べ電子ピアノの鍵盤がかなり軽いのは、ハンマーを動かすための複雑な機能がまったくないからです。
また電子ピアノは個体差などはほぼありませんし、調律も必要ありません。
電子ピアノは凄くシンプルなのですね。
ハイブリッドピアノと電子ピアノ、アップライトピアノの違い
さてハイブリッドピアノの特徴は、ハンマーが動くところまではアコースティックピアノの機構がほとんどそのまま搭載されていることです。
つまりハイブリッドピアノにはアコースティックピアノの複雑な機構がされているため、ハイブリッドピアノの打鍵感はアコースティックピアノとほぼ同じです。
押せば虜になるあの感じが電子ピアノで味わえるなんて、恐るべしハイブリッドピアノ、、、!
なおハイブリッドピアノの場合はハンマーが叩くのは弦ではなくセンサー。
センサーがハンマーからの振動を検知して、その値によってプリセットされた音がスピーカーからなる辺りは電子ピアノと同様です。
本当にハイブリッドという感じですね。
ハイブリッドピアノのメリット・デメリット
友人宅にて。この光沢!
ハイブリッドピアノのメリットとデメリットについて説明します。
いくらハイブリッドピアノがすごいとはいえ万人におすすめできるものではないため、ぜひ参考にしてくださいね。
メリット:優れた打鍵感や静音性
ハイブリッドピアノのメリットは、なんと言ってもアコースティックピアノ同様の打鍵感。
このNU1Xを見せてくれた講師兼ピアニストの友人も「この感触は本当にすごい」とべた褒めしていました笑
しかも音が出る部分は電子ピアノなので、優れた打鍵感を維持しながらも音量は大小調節が可能です。
またヘッドフォンジャック端子も搭載されているので、夜中の練習も問題ありません。
まさに「アップライトピアノは置けないのだけど、なるべくアップライトピアノに近い電子ピアノが欲しい」という方にはぴったりなのではないでしょうか。
デメリット:音響部分は電子ピアノの域を出ない
超優秀なハイブリッドピアノですが、デメリットが無いわけではありません。
- ハンマーの先がセンサーなので、振動の伝わり方がアナログではない
- 音は本体からではなく、スピーカーから鳴る
という違いから、アコースティックピアノのような繊細な音色の違いは出せないのです。
感覚的には2~30万の高級目の電子ピアノと同様の音に感じました。
この音の違いがどう影響するかというと、コンクール本番などで練習環境の差として如実に出ます。
コンクールや発表会の本番はグランドピアノですよね?
普段の練習が「それなりにいい音が鳴ってしまう」電子ピアノなのか、「うまく鳴らすと化ける」アコースティックピアノだったのかで、本番ピアノの音の鳴らし方に差が出てしまうのです。
もっというとある程度の歳になると「全員グランドピアノで普段から練習するのが前提」みたいな世界があったりするわけですが、そのような方々がハイブリッドピアノを考える際はある程度の「割り切り」をもつ必要があります。
現にハイブリッドピアノを見せてくれた友人も、どちらかというとコンクールでシードをもらうようなピアニストですが「音の広がりは頭である程度補完していて、コンクールが近いときは別にグランドピアノで練習できる環境を用意しているよ」と言っていました(定期的に楽器店のグランドピアノを借りているみたいです)。
ちなみにその友人と後日YAMAHAの店舗で上級機種のN2やN3Xを見てきましたが、スピーカーの数の違いからか臨場感は随分違いました。
それでもアコースティックピアノのそれとはやはり違うので、リターンを考えると「これだけのお金を用意できるなら、グランドピアノとグランドピアノをおける環境を買うかな」って友人と話していました(N2やN3Xなどハイブリッドピアノの上位機種は100万超えるので、笑)。
ハイブリッドピアノを買うべき人はどんな人?
ハイブリッドピアノを買うべき人は「アップライトピアノは置けないが、なるべくアップライトピアノに近い電子ピアノが欲しい人」全員なのですが、もう少し具体的にいうなら
- ピアノを習っているが音の鳴りで勝負が決まる世界ではまだない
- 表現についてはハイブリッドピアノとは別に、グランドピアノで練習できる環境がある
- そもそも趣味で弾いているので気にしていない
という方はハイブリッドピアノを購入しても後悔はしないでしょう。
おすすめハイブリッドピアノはヤマハ:NU1X
今回レビューしたヤマハのNU1Xは
- アコースティックピアノに引けを取らない打鍵感
- 電子ピアノ同様に音量調節、ヘッドフォンの使用が可能
が1台のピアノに同居しているという圧倒的なメリットに加え、
- 録音、再生可能(USB保存OK)
- Bluetoothでスマホと接続して、スマホ音声の再生が可能
- メトロノーム機能あり
と、電子ピアノとしてもかなり優秀です(スマホで流す映画の臨場感、すごかったです笑)。
なおお値段は40万円ちょっとと、超高性能だけあってそれなりにします。
それでもアップライトピアノよりも安価で調律もいらないと考えると、メリットは有り余るのではないでしょうか。
友人宅にて。操作系統は左に固まっています、電源だけ右
「アップライトピアノは置けないのだけど、なるべくアップライトピアノに近い電子ピアノが欲しい」と考えておられるそこのあなた。
ヤマハのハイブリッドピアノNU1Xが、かなりいい正解となりますよ。
~~~広告~~~
コメントを残す